1 :2024/03/03(日) 13:54:23.17 ID:ppMyhhSD9.net
日本テレビ系でアニメが放送中で、魔王を倒した勇者たちの?その後?を起点に、エルフである主人公フリーレンを軸に新たな仲間たちとの旅が描かれるファンタジー作品。
島本氏は「魔王が倒され、勇者は寿命が尽きて死んでしまう。どうやってここから物語を引っ張っていくんだろうと、誰もが不審に思った第1話から、これほどワクワクする展開になったことにビックリした」と構成の巧みさを指摘し、「構造的に考えると、今までの漫画はもうオワコンだよね、全ての漫画は終わりました、これからはこれです、と宣言されたよう。漫画界は2週目に入るのではと考えさせられるような、鋭い批判力も込めたすごい漫画です」と続けた。
さらに「キャラクターの一人一人が深く練り込まれている」と語り出した島本氏。何周もアニメ、原作を見返していると話し「シュタルクがフリーレンをおんぶするところで、フェルンが『エッチ』と言うところがある。これはシュタルクがフリーレンという女体をおんぶすることに対して『エッチ』と言った、という理解が、最初の段階だったが、?おや、違うのではないか?と思い直した。シュタルクにフリーレンを預けたくない、というフェルンに嫉妬心が生まれ、その嫉妬心を隠そうとして『エッチ』という言葉が出てきたのではないか、と思い至った。おやおや、このセリフは深いぞと、2周目は他のキャラクターも深いんじゃないかと考えて読むと、どのキャラクターも深い!」などと、その魅力を語った。
続いてマイクの前に立ったアベツカサ氏は、関係者への感謝を述べ「2018年の10月、初めて1話目のネームを読み、とても美しい物語だな、描いてみたいなと思いました。しばらくしてフリーレンのキャラクターを描いてみました。その絵を山田先生が気に入ってくださり、作画させていただくことになりました」と経緯を語った。「このような賞をいただくとは想像していませんでした。とてもうれしいです」と喜びを語り、読者、アニメスタッフ、連載先の「少年サンデー」関係者らへの感謝を繰り返し述べていた。
ほかに、松井優征「逃げ上手の若君」、絹田村子「数字であそぼ。」、稲垣理一郎原作・池上遼一作画「トリリオンゲーム」が受賞。今年度から漫画文化の多様さを鑑み、昨年までの「児童向け部門」「少年向け部門」「少女向け部門」「一般向け部門」の各部門が廃止された。受賞者には正賞としてブロンズ像「みのり」(中野滋作)、副賞として100万円が授与された。審査員はおのえりこ、恩田陸、川村元気、島本和彦、高瀬志帆、ブルボン小林、松本大洋が務めた。