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https://agri.mynavi.jp/2024_02_09_255449/
ライター:平松 ケン
連載企画:就農≒異世界転生?
公開日:2024年02月09日
農村という異世界のしきたりに順応し、徐々に農業の規模拡大を進めてきた僕・平松ケン。最近では栽培技術も向上し、思うような収量をあげられるようになってきた。と同時に、規格外野菜も出るように。
そんなある日、ご近所さんが規格外のダイコンを見ながら言った一言がきっかけとなり、新たなトラブルが生まれることになるのである……
目次
・前回までのあらすじ
・大量の規格外品を見たご近所さんが……
・大勢の人が畑に押し掛ける事態に!
・ラスボス・徳川さんからクレームが!
・車で乗りつけて根こそぎ持っていく人も
・レベル13の獲得スキル「規格外をタダで渡すのはNG! きちんとお金をもらえ!」
本記事は筆者の実体験に基づく半分フィクションの物語だ。モデルとなった方々に迷惑をかけないため、文中に登場する人物は全員仮名、エピソードの詳細については多少調整してお届けする。
読者の皆さんには、以上を念頭に読み進めていただければ幸いだ。
前回までのあらすじ
農村とは、モンスターのように手ごわい問題が潜む異世界。新規就農者である僕が新たに借りた耕作放棄地では、地中から「大量のゴミ」という新たなモンスターが出現。その後の処理に四苦八苦する羽目に!
前回の記事
今度の敵は地中から? 耕作放棄地に出現したモンスターに四苦八苦!【転生レベル12】
https://agri.mynavi.jp/2023_12_14_249455/
地域の農家との関係に苦心しながらも、なんとか農村という異世界のしきたりに順応してきた僕・平松ケン。次第にまわりの信頼も得て、新しい畑も借りられるようになってきた。しかし、新たな「敵」は思わぬところに潜んでいた。その敵は…
大量の規格外品を見たご近所さんが……
農業を始めた当初は、なかなか新しい農地を借りられず、規模を拡大できない日々が続いていた僕。しかし最近では、耕作放棄地を中心に「できれば畑を借りて欲しい」という相談が少しずつ舞い込むようになった。
もちろん、大量のゴミが出現するといった困った土地もあるのだが、それでも規模拡大に向けて少しずつ、着実に進んでいるのがうれしかった。
最近ではラスボス・徳川さんをはじめとした先輩農家からの指導もあり、栽培技術も確実に向上してきている。就農1年目から栽培を続けてきたダイコンも、立派な出来栄えのものが育つようになった。それでも出てしまうのが規格外品である。
ある日、僕は出荷できないサイズのダイコンを抜いてそのまま無造作に畑に置いていた。昼頃に収穫を終え、畑でひと休みしていると、自転車に乗った女性から声を掛けられた。
「すみません、ちょっと聞いてもいいですか?」
どうやら畑の近所に住んでいる主婦の方らしい。近くにあるスーパーの買い物袋が自転車のかごに入っているのが見えた。
「なんでしょう?」
僕は地面に落ちたたくさんの規格外のダイコンを踏まないように避けながら、にこやかに女性に駆け寄った。地域の人とのコミュニケーションは、農家にとって欠かせない業務の一環である。
「このダイコンって、どうされるんですか?」
女性は規格外のダイコンを指さしながら聞いてきた。
「これは出荷できないんで、そのまま廃棄しちゃいますかねぇ」
と僕が答えると、
「そうなんですか、もったいない……」
と女性はため息をついた。
もちろん僕ももったいないと思っているが、規格外の野菜を販売しようとしても、労力がかかるばかりでもうけにはならない。それならば畑にすき込んだ方がましだ。世間では「フードロスの削減」なんて言っているが、規格外野菜の有効活用は、ぶっちゃけ割に合わないのが実情である。「外野は勝手なことを言うよなぁ」というのが就農した僕の本音だ。
それでも、消費者がそう思う気持ちもわからないではない。
「もし良かったら持っていかれます?」
僕がそう返すと、女性の顔がパッと明るくなった。
(略)
※全文はソースで。