1 :2023/07/11(火) 04:34:32.02 ID:ErhMjetz9.net
(中略)
「両親の争い」が子どもに与える多大な影響
海外だけでなく、日本においても、あらゆる研究が示す最大のマイナス要因は「両親の争い」です。これは何も、別居・離婚家庭に限ったことではありません。非離婚家庭においても、両親の争いが、子どもに深刻な影を落とすことはよく知られています。
とくに子どもをめぐる争いが、子どもにとって最悪で、多くの行動上の問題や心理的問題を引き起こします。たとえば親権や監護権を争う、というような場合です。子どもは争いの板挟みとなり、どちらに味方し、どちらの肩を持てばいいのかと悩みます。自分が、大好きな両親の争いの種であるように感じ、罪悪感や自己否定感にさいなまれます。
私がカウンセリングの場で出会った面会交流に拒否的な子どもには、どちらか(多くの場合は同居親)に味方しなければいけない状況下で、片方の親(別居親)を切り捨てるため、「別居親は会うに足らない不要な人間である」と、必要以上に別居親を否定的にとらえ「ダメ人間」と断罪したり、恐ろしいモンスターにつくりあげようとしたりする子どもが少なくありませんでした。
また、「別居親が(自分のことを)諦めてくれさえすればもっと平和に暮らせるのに」と、別居親への憎しみや嫌悪感を募らせる子どももいました。
日本で行われた研究でも、父母の離婚後、どちらかを選ぶよう迫られた子どもが環境にうまく適応できなかったり、同居親から別居親の悪口を聞くうちに別居親に怒りの感情を抱くようになり、同居親の相談役を果たすようになったケースが報告されています。
また、未成年期に親の離婚を経験した20代へのインタビュー調査で、ずっと苦悩を抱えている人の特徴として、離婚後も両親の争いが続き、その争いに巻き込まれていたということがわかっています。
また、離婚後の子どもの養育に関する父母の関係性(コペアレンティング)が対立的であるなど、葛藤が高いと、子どもに行動面で困難を引き起こさせたりすること、別居親との面会交流や、同居親の前で別居親を話題にすることにためらいを感じさせたりすること、また親に甘えられなかったり、早くおとなにならなければならないと感じさせたりすることが報告されています。
これら一連の研究結果は、離婚後の父母の葛藤が子どもの適応を直接低下させることを示し、それは欧米の研究結果ともほぼ一致します。一方、父母が協力的だと、別居親と子どもの関係性を良好にし、子どもの日常への適応も良くなっています。
片親(父親)不在で子どもはどうなる?
次にマイナスとなるのが「片方の親(別居親)の不在」です。子どもには父親・母親両方の関わりが必要です。ところが、離婚・別居によってそのいずれか、たいていは父親不在の状態に陥ります。
(中略)
片親の不在が生む経済・教育の貧困
こうした片親(父親)の不在は、貧困などの経済的な問題、それによって起こる受けられる教育の質の低下や経験できることの質や豊かさなどとも関係していきます。離婚し、ひとりで子どもを育てている世帯の貧困率は48.1%と、かなりの高水準です。
なかでも厳しいのは母子世帯で、その年間総所得は306万円。これは「子どものいる世帯」の41%にとどまっています。(注6) 親の経済的貧困は、教育の貧困につながり、教育の貧困は、その子どもの職業選択や将来の生活に直結します。
日本はOECD(経済協力開発機構)諸国のなかでも教育費が高額です。それなのに教育への公費負担が少ない国です。少子化で在学層は減っているのに、国内総生産(GDP)に占める国の教育公費負担(初等教育から高等教育まで)はOECD平均4.9%より低い4.0%にすぎません。
ところが、公費負担と家計支出を合わせると1人当たりの年間教育支出は、1万1896ドルでOECD平均1万1231ドルを上回ります。(注7) 高額な教育費を捻出できない家庭の場合、子どもはおのずと高い教育を受けたり、さまざまなものを吸収していく機会を奪われてしまいます。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/8ff6a7d24330ce9b4e511f8c06ad12959ce0fdf0