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少年更生後に配慮「廃棄は当然」 最高裁判所、遺族感情より加害側を重視…事件記録破棄問題

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1 :2023/06/16(金) 10:40:55.42 ID:n2VtFo4N9.net

最高裁が調査報告書を公表したのは、5月25日だった。それは、神戸連続児童殺傷事件で命を奪われた土師(はせ)淳君=当時(11)=の命日の翌日に当たる。
淳君の父、守さん(67)はこれまで、貴重な記録を廃棄された憤りと失意を切々と最高裁に訴えてきた。
少年事件記録ゆえの保存の課題は、加害少年の更生を重視する少年法に基づき
将来の開示を想定していないことだ。最高裁は数々の再発防止策を示したが、少年記録を永久保存する「基準」には大きく踏み込まなかった。

●法改正の契機
 1997年2~5月、神戸市須磨区の住宅街で起きた連続児童殺傷事件は、小学生5人が次々襲われ、淳君ら2人が殺害された。
残忍な犯行態様で、「酒鬼薔薇聖斗(さかきばらせいと)」の名で犯行声明文が神戸新聞社に送りつけられた。さらに
当時14歳で中学3年の男子生徒が逮捕され、社会は騒然とした。

 ただ、当時の少年法では16歳以上しか刑罰に問えなかった。
被害者遺族の土師守さんは少年審判の傍聴さえできなかった。

この事件などを契機に少年法が厳罰化され、2001年施行の改正法では
遺族らに一部記録の閲覧・謄写(コピー)も許された。だが、事件の終局から3年という期限をわずかに過ぎていた。
土師さんは閲覧できないまま廃棄を知った。

■少年保護の見地
 「私が(書類に)判を押し、記録を見送った」。
神戸新聞の取材に、連続児童殺傷事件の記録廃棄当時、神戸家裁の
少年首席書記官だった男性は語った。「そりゃ忘れませんよ」とも。

最高裁の調査報告書によれば当時、「特別保存(永久保存)」の要件に該当する可能性があると考えたが
神戸家裁で少年記録の特別保存が一つもなく、少年事件は非公開であることなどを理由に廃棄を決めた。

 ほかの少年事件記録の廃棄経緯を調べた結果でも、「プライバシーの問題」
「要保護性に主眼」といった職員の言葉が並び、原則廃棄の意識が色濃く表れた。
さらに最高裁自身も過去の通達で、「少年に対する記録がなるべく速やかに
廃棄されるべきことは、少年保護の見地から見て極めて当然の要請」と言明していた。

うかがえるのは、「保存し忘れた」というより、「廃棄すべき」と考える裁判所組織の土壌だった。

続きは神戸新聞 2023/06/16 05:35
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202306/0016479239.shtml