1 :2023/02/02(木) 08:18:09.53 ID:BdCglZ1y9.net
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中学受験の“要”といわれる算数。いまでは大手塾と算数塾を低学年からダブルスクールする子どもも決して珍しくない。算数1科入試は以前から男子校で採用されてきたが、最近は女子校でも導入する学校が増えてきた。その一方で、「女の子は国語が得意で算数が苦手」というまことしやかな話がいまだに根強く残る。その真偽を人気算数塾と理系で活躍する女性に取材すると――。
夕方。東京・自由が丘にある「フォトン算数クラブ」で授業が始まった。懸命に鉛筆を走らせるのは、小学3年生の子どもたちだ。
難関校への圧倒的な合格実績を誇るこの算数専門塾は、毎年秋の入塾テストの難しさは当然のこと、入塾説明会をオンライン化する前は説明会の参加枠すら激しい争奪戦が繰り広げられることでも知られていた。
通うのは、競争率の高い試験を勝ち抜いた子どもたちばかり。取材の日に教室をのぞくと、12人の生徒のうち8人が男の子で、女の子は4人。武井信達塾長によれば、各学年は約100人程度で男女比率は、いずれの学年も7:3ほどだという。
やはり男の子のほうが「算数に強い」という意味なのか。そう、質問すると武井塾長は首を横に振る。
「単純に、男子の入塾希望者が多いだけです。そもそも大手の中学受験塾とうちの塾をダブルスクールすると、費用は決して安くはない。それでも『男の子だから費用を出そう』と考えているご家庭がいまでも多いということだと思います」
中学受験においてトップ校や難関校は算数の問題のレベルが高く、差がつきやすい科目だ。また大手塾が塾生を対象に行う確認テストやクラス分けに影響するテストなどでも、算数の配点が他科目に比べて高いケースも多い。ゆえに目標を高く定める家庭では、算数の専門塾へのダブルスクールをさせることもある。
では、算数の成績に男女差はあるのか。
巷でまことしやかにささやかれるのは、「女の子は、立体や図形問題が苦手」説だ。男の子は幼少期からレゴブロックなどで遊んでいるため空間把握能力が発達する――というのが“根拠”であるが、もちろん真偽は定かではない。
武井塾長も、この見方には疑問を抱く。
「多少はその傾向もあるかもしれませんが、受験勉強においては大きな男女差は感じません。空間把握能力についても同じです。というのも実は、立体の問題を解くためには立体のまま考えず平面図形に落とし込んで考えるのが受験テクニックなのです」
確かに、受験算数ではつまずきやすい分野がある。たとえば抽象的な概念の入る割合などがそうだ。
理解できる子とできない子の差は何か。
「両者の線引きはごくシンプルです。公式を暗記するなど表面的な勉強をするクセがついた子と、その奥の原理にじっくり向き合う子の差です」
武井塾長は、算数に対する性差があるとすれば、「取り組み方」にあるという。生徒を長年見ていると、女の子は周囲の人間によって成績が左右されやすい傾向が強いと感じるからだ。
「算数が苦手」と話す女の子の話をじっくり聞いてみると、「昔、算数の先生に嫌なことを言われて嫌いになってしまった」など“人”に関するマイナスの体験があることが多い。女の子は、「その先生が嫌いだからその科目が嫌いになった」といったパターンが少なくないという。
「塾では、授業の質は当然ですが、生徒にかける言葉や表現に気を使うように注意しています。講師に悪気がなくとも、傷ついてそれが原因で算数が嫌いになることがあるためです。特に女の子は多い」
だが、たとえ算数に苦手意識をもつ女の子がいてもそれほど問題にはならない、と武井塾長は付け加える。
「模試は男女混合の競争ですが、本番の中学入試は違います。トップ校や難関校でも、女子校の入試では、男子校より算数の難易度は低めです。共学でも試験の合格枠は男女別です。入試は算数マニア度を競う場ではない。基礎となる土台が定着していれば、忘れないように地道に復習を続けることが大切です。ずば抜けて得意にしなくても、そこそこできるようにすればよいのです。そして国語に秀でた子はたいてい理社も得意です。4科目のバランスが良いタイプは、中学受験では有利です。深刻に思いつめる必要はありません」
では、実際に大学で理系を専攻し社会で活躍する女性は、「女の子は算数苦手」説をどう思っているのか。
現在、米国の大学院で脳科学を学ぶ南井優希さん(33)。奈良女子大学理学部の数学科(当時)を経て、京セラの関連会社や楽天、デジタルプラットフォームを手掛けるABEJAでデータサイエンティストとして活躍してきた。意外にも、両親ともに文系だという。
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