1 :2021/01/23(土) 14:38:27.76 ID:9fzE17lp9.net
最近、そんな声を永田町で耳にすることが増えた。「日本郵政」の増田寛也社長が有力国会議員などを回り、「窮状」を訴えていることが背景にある。
日本郵政が11月13日に発表した9月中間期の連結決算では純利益が1789億円と24.4%減り、子会社で郵便事業を営む「日本郵便」の純損益は65億円の赤字となった。中間期で赤字に転落するのは3年ぶりのことだ。
新型コロナウイルスの蔓延で、「アマゾン」など宅配サービスが大きく伸びた中で、日本郵便は赤字に転落したのだ。
日本郵便には全国一律のサービスを提供する「ユニバーサルサービス」が義務付けられており、これを受けて「郵便局」が全国各地に配置されている。2020年10月末時点で、その数は2万3823局に及ぶ。集配郵便局エリアの8割が赤字で、黒字エリアは2割に過ぎず、窓口業務も4割が赤字とされる。郵便局網の維持費として、日本郵政の銀行子会社である「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命保険」が、「業務手数料」や「拠出金」の形で毎年1兆円を負担し支えてきた。
問題はその支援資金が急速に細っていることだ。2019年夏に発覚したかんぽ生命の不正販売問題で、保険の解約などが相次いだことで、保険販売から得られる手数料が減っているほか、保険の契約数などに応じて入る拠出金も今後、大きく減少していく見通し。また、低金利の長期化でゆうちょ銀行の経営環境も悪化していることから、同行から入る手数料や拠出金も減る。つまり、郵便局を維持するために頼みになっている金融収益からの資金が、大幅に減っているのだ。
実は、郵便局を守るための金融子会社への資金拠出ルールは2019年度から変わっている。それまでは金融2社が自社商品を郵便局で販売してもらう「業務手数料」として、すべて支払われていた。それが、金融2社からの資金の一部を、独立行政法人の「郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構」にいったん拠出した後、日本郵便に交付金として支払われることになったのだ。
2020年度は、独立行政法人への拠出金はゆうちょ銀行が2374億円、かんぽ生命が561億円と合わせて2935億円にのぼり、直接支払う「業務手数料」と合わせて8594億円が支払われることになった。2019年度に比べて1090億円も減ったのだが、2021年度はさらに減少すると見込まれている。
資金の一部を独立行政法人を通す形に変えたのも、裏がありそうだ。自民党の「郵政事業に関する特命委員会」(細田博之委員長)からの提言で決まったのもだが、その際の理由は、独立行政法人を通して交付金とすることで、消費税の支払いを半分以下に抑えられるというものだった。だが、それは建前に過ぎないとみられている。
https://www.jiji.com/jc/v4?id=foresight_00331_202012080002