1 :2019/05/15(水) 10:40:45.30 ID:JmWs2ZBO0●.net
秋田の無医村 「嫉妬」が引き起こす医療崩壊
2019年5月14日
前回の記事( http://medg.jp/mt/?p=8975
)で秋田県の上小阿仁村で起きた「無診察処方問題」とその背景にある医療規制について考察した。
規制を緩和し、地域の現状、住民のニーズに合わせた柔軟な対応が必要であると訴えた。
しかしながら、この村では医療規制以前に住民と医師との間に“壁”が生じていたことも確かだ。
“家庭医”や“総合診療医”という医療提供者側の肩書ではなく、僻地の医師に求められるのはどのような人柄なのか。住民の声を頼りに考えた。
「お医者さんの給料は1500万円だよ。宿舎の改築に1000万円、学会参加の交通費に毎年100万円、専属のドライバーもついているんだよ。」
お医者さんのお財布事情について、村民の一人は異様なほど詳しい。驚いたことに村民へのインタビュー調査をしていく中で、5人が医師の給料について言及した。
2日間でお会いした方が20名程度だったことを考えると、相当な数だ。
なぜこのような話題が広まるのか。私は医師に対する村民の「嫉妬」が原因だと考えている。自分たちよりも所得の高い医師を羨ましく思っているのだ。
上小阿仁村は秋田県の中で最も高齢化率が高い。2人に1人が65歳以上だ。高齢化が進めば地域の所得も落ちていく。2018年の世帯ごとの平均所得は208万円7154円だった。
(出典:年収ガイド 年収・収入に関する総合情報サイト)収入とは異なるものの、医師の年収の7分の1以下だ。「嫉妬」が生まれるのも無理はない。
ただ、この村での問題点は所得格差による「嫉妬」だけでは説明できない。住民の医師に対する誤解も軋轢を生む要因の1つだ。
「先生は子供たちを診てくれないんです。それに、新患の場合はほとんど紹介状を書くだけなんです。」
幼稚園児の親御さんは医師が子供を診ないことを「怠慢」と表現していた。
さらに驚く発言も聞こえた。「先生は薬とか出すときにいちいち分厚い本を読んで確認するんです。診察に時間もかかるし、いちいち確認しなくちゃいけないことに不安を感じます。」
私はこれらの発言の背景には、「医師=万能」という誤解があると考える。現在、医師の役割は高度に専門分化が進んでいる。
2018年度から始まった新専門医制度では19の基本領域と26のサブスペシャリティに分けられた。上小阿仁村に勤める医師は80歳だ。
これまで扱わなかった領域をこの年から勉強することは非常に難しいだろう。本で調べることは、むしろ誠実という見方もできる。
また、最新の治療を提供するために、患者を地域の中核病院に紹介することは必然の選択だ。
最後に一つだけ述べたい。そもそも論になってしまうが、村自体が医師にとって働きたい、と思える場所になっているか。
村民も行政も今一度考える必要がある。人は自らを成長させることができる場所、もしくは、直感的に楽しそうな場所に行く。
医師も人間だ。人口減少・高齢化・助成金頼りの財政など、ネガティブな情報が聞こえてくるところには行きたくない。嘆いているところに来るのは“ハゲワシ”や“ハイエナ”のような輩だ。
ソースより抜粋
http://medg.jp/mt/?p=9006