1:名無しさん@涙目です。 2018/04/01(日) 19:08:36.52 ID:NgaK0S0y0.net
後継者がいない(上)
東京商工リサーチによると、後継者難などで毎年3万件の企業が休業や廃業、解散している。
(中略)
技術やノウハウが失われかねない事態にどう対応すべきか。
経済産業省によると、この20年で中小企業の経営者の年齢分布は47歳から66歳へ高齢化。2020年ごろには数十万人の
「団塊の世代」の経営者が引退時期となる。「中小企業の競争力の源泉は『社長』自身であることが多く、創業者はなおさら。 引き継ぐのは簡単ではない」(大手銀行幹部)。少子化や「家業」意識の薄れもあり、後継ぎのめどが立たない企業は多い。
経営者が60歳以上で後継者が決まっていない中小企業は、日本企業の3分の1にあたる127万社に達する。
事業が続けられず廃業する企業の半分は黒字とされ、25年ごろまでに650万人分の雇用と22兆円分の国内総生産(GDP)が 失われる可能性がある。
首都圏近郊の板金会社の社長だった女性(60)は昨春、板金工の兄が約40年前に創業した会社を畳んだ。
精密加工技術が評価され、製品は新幹線の車体にも採用された。11年に兄が急死し、社長を継いだ。出入金管理や 不利な手形取引の見直しを進め、就任3年で無借金経営に転換した。
しかし、兄の一人息子は後継に一時意欲を見せたが、結局別の道を選んだ。古株の従業員にも引き継ぎを断られた。
「私が会社をみとろう」と決めた。
取引先からは「同じ品質のものが調達できなくなる」と嘆かれた。廃業すれば、サプライチェーン(部品供給網)の分断にもつながる。
何とか技術は残せないかと考え、同業者と交渉し、設備やノウハウ、従業員を譲渡することでまとまった。
機械設備を売り払って廃業してしまう方が、手続きは簡単で、多くの金額が残る可能性はあった。でも、事業譲渡で技術を 引き継ぐことを優先した。女性は言う。「会社をつくり、経営したのは私たちだけど、培った事業は社会のものですから」=敬称略(榊原謙)
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