1 :2024/09/17(火) 11:53:50.12 ID:m05jdlYz9.net
腕まくりする袖から筋骨隆々な腕の入れ墨が
事件当日、中西は同居人の加藤臣吾(25歳)とともに、新宿駅を経由し、小田急線で登戸駅へと向かった。駅から歩いてすぐのコインパーキングで待っていると、レンタカー店から「調達」してきたプリウスを運転する体格の良い男が現れた。実行犯役の中心的な役割を担った永田陸人(22歳)だ。テレグラム上では「カルパス」と名乗っていた。
永田の腕まくりする袖からは、筋骨隆々な腕の入れ墨がちらりと見えた。可愛いお菓子の名前とは反面、強面な印象の永田に、中西はたじろいだ。
「お前、タタキ(強盗)は初めてか。だったら俺の言うことを聞け」
永田はそう言い放ち、車に乗るよう指示した。加藤に以前言われた言葉が頭をよぎった。
「カルくん(永田)は現場に入ると人格が変わるから気をつけろ」
中西は、加藤と永田、そして年配の野村広之(53歳)とともに狛江市の女性宅へと向かった。
「ピンポーン」―。
宅配業者のユニフォームを着た中西と野村が女性宅のチャイムを鳴らした。2~3分経ったが、誰も出ない。もしや留守なのでは。少しホッとしていると、高齢女性がベランダから顔を出した。
「どなたですか?」
中西は「荷物です」と叫ぶ。しかし、女性は耳が遠くて聞こえないようだ。
「下に行くので待ってください」
そして女性への「拷問」が始まった
それから、また3~4分経つと女性が玄関を開けて現れた。女性は段ボールの宛名を見ると首を振った。
「私宛ての荷物じゃないと受け取れないです」
そう言って、家の中に戻ろうとすると女性を中西が眺めていると、突然、野村が女性を抱えて玄関から押し入った。後ろから永田と加藤が駆けつけてくる。突入が開始した。
女性を結束バンドで縛り、家の中の物色を始めた。しかし、ここで大きな誤算が生まれる。現金や金庫が見つからないのだ。女性に聞いても「あなたたちはだあれ?」と要領を得ない。他の家族は外出しており、金のありかが分かりそうにない。
焦った永田や通話状態でつながっている指示役は、女性への「拷問」の開始を決断する。女性を地下室へと連れて行き、野村が長さ約75cmのバールで女性を殴り始めた。女性の耳元では、永田がドスをきかせた声で尋問する。
中西は、地下室に響き渡るほどのバールでの殴打音を聞き、女性に目を向ける。
「まさかそのような行動を取るとは思わなかった」
中西が聞いていた強盗計画にはバールでの殴打は明示されていなかった。ただ、永田と野村を止めることはできなかった。
「どうすれば止められたか今も分かっていない」
「バールで自分も殴られて殺されるかと思った」
弁護側の質問に中西は振り返った。女性は10~15回ほど殴られ続け、その後、外傷性ショックにより死亡した。結局、金は見つからず、中西は報酬も一切貰うことはできなかった。
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