1 :2024/08/21(水) 02:39:56.82 ID:F06D+93v9.net
第1回【スコップしか持たないロシアの新兵に「ウクライナの精鋭旅団」が襲いかかった…プーチンの顔に泥を塗る「越境攻撃」が成功した最大の勝因とは】からの続き──。ウクライナ軍の精鋭旅団は依然としてロシアのクルスク州で快進撃を続けている。だが専門家はロシア軍による包囲作戦の危険性が高まっており、ウクライナ軍に甚大な被害が出る可能性もあると警告する。(全2回の第2回)
ロイターの日本語電子版は8月17日、「ウクライナ軍、クルスク州で1─3キロ前進 米当局と戦況を協議」との記事を配信した。見出しにある通り、ウクライナ軍の精鋭旅団は今もロシア領内で前進を続けている。
原点に還れば、そもそもウクライナ戦争はロシアの一方的な攻撃で幕を開けた。国際世論はロシアを厳しく非難し、ウクライナとの連帯を表明してきた。日本でも今回の快進撃を喜ぶ声は相当な数に達しているが、専門家は「手放しで喜ぶのは間違い」だと指摘する。軍事ジャーナリストが言う。
「最も心配なのが兵站です。ウクライナ軍は越境攻撃に精鋭の旅団を複数投入していることが分かっていますが、ロシア領内に入れば入るほど本国からの距離が遠くなります。快進撃を続けると、旅団への補給が困難になる可能性があるのです。さらに戦場となっているクルスク州は、ウクライナ東部戦線の激戦地であるドネツク州から見て北方に位置しています。ロシア軍が東部戦線の部隊から応援部隊を編成して北上させれば、ウクライナ旅団の背後を突くことができます」
ロシア軍側に立てば、クルスク州で快進撃を続けるウクライナ旅団に対し、まずは国内の部隊が正面から攻撃し、進撃を止める。
■二正面作戦の危険性
さらに東部戦線から応援に駆け付けた部隊がウクライナ旅団の背後を襲う。この両面攻撃が成功すれば、ウクライナ旅団を包囲攻撃することも可能だ。
包囲戦は攻撃側が圧倒的有利に立つ。ウクライナ軍にとって最悪のシナリオは、NATO(北大西洋条約機構)軍から供与された最新兵器を装備した虎の子の精鋭旅団が壊滅してしまうというものだ。
「古来、軍事の専門家は二正面作戦の愚を指摘してきました。“二兎を追う者は一兎をも得ず”の諺通り、二正面作戦は自軍の戦略が分散し、両方の作戦が失敗するのです。日本も第二次世界大戦で中国とアメリカの両国と戦って敗れました。対するアメリカは日本とドイツの二正面作戦を勝って勝利しましたが、これは世界史上稀有な例外です。ウクライナ軍が越境攻撃に力を入れるほど、クルクス州とドネツク州の二正面作戦となってしまい、極めて不利な状況になるのです」(同・軍事ジャーナリスト)
兵站の不安に二正面作戦の不利――。これだけでも相当な問題だが、そもそもゼレンスキー大統領は何を目的として越境攻撃に打って出たのだろうか。
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だが先に見たとおり、ロシア領内で進撃を続けるだけでも相当なリスクだ。まして占領となると、桁違いにハードルは高い。
「他国を攻めるより、自国を守るほうが有利です。まさしくウクライナ戦争の緒戦で、守るウクライナ軍は攻めるロシア軍を撃退しました。侵略のためには防衛軍の数倍の戦力が必要だと言われています。ましてや敵国の占領となると、占領地を守り抜くだけの兵力や兵站、さらに占領地の住民に行政サービスを提供する人員も確保しなければなりません」(同・軍事ジャーナリスト)
朝日や毎日は間もなく交渉が始まると言わんばかりの書き方だが、激怒したプーチン大統領は一切の交渉を拒否したという報道もある。少なくとも交渉がいつ始まるのかは未定であり、それまでクルスク州の一部を占領し続けるというのは、今のウクライナ軍にとっては厳しいミッションだと言えるだろう。
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ならばウクライナの旅団に長居は無用であることは明白だが、現時点ですでに手遅れの可能性もあるという。
「今すぐウクライナの精鋭旅団がクルスク州から本国に転進したとしても、無傷で済むかどうかは分かりません。たとえ勝っている作戦でも退却戦は大変なのです。追うロシア軍の猛攻を最後尾の部隊が耐えきる必要があり、戦術的には非常に不利な立場に置かれます。考えれば考えるほど、果たして越境攻撃が必要だったのか疑問は増すばかりで、ウクライナ軍の行動が理解できないのです」(前出の軍事ジャーナリスト)
専門家が見ても目的のはっきりしない、まさに謎だらけの越境攻撃というわけだ。(以下ソース)
8/20(火) 11:17配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/7bab5bfbaa984c1a071d9c74d7d2bec3dd3b199f