1 :2024/03/14(木) 08:46:39.91 ID:f+NyzJnh9.net
植田和男総裁は13日の参院予算委員会で、マイナス金利解除などの政策判断について「現在本格化している春季労使交渉の動向は大きなポイント」と発言した。足元の物価上昇率は、日銀が目標とする年2%を上回る。日銀は物価上昇に合わせて賃金が上昇する「好循環」を確認できた場合、安定的・持続的な物価上昇という目標達成を見通せると判断し、マイナス金利を解除する姿勢だ。
13日の集中回答日の結果、大企業では経団連が目指す4%超の賃上げが実現する情勢となった。日銀内でも「マイナス金利解除の環境が整った」と受け止める声が増えている。一方、大企業だけでなく中小企業の賃金動向を把握した上で「じっくり判断すべきだ」(日銀関係者)との慎重意見もあり、今後公表される賃上げ率の集計などの指標を精査して最終判断する。
日銀は16年2月、金融機関が日銀に預ける当座預金の一部にマイナス0・1%の金利の適用を開始。世界の中央銀行では22年9月にスイス国立銀行がマイナス金利政策を終了してから唯一、日銀だけが継続している。
日銀の金融政策を巡っては、政策決定に関わる審議委員から2〜3月、政策変更に前向きな発言が相次いでいる。高田創審議委員は2月29日に大津市であった講演で、2%の物価目標について「実現がようやく見通せる状況になってきた」と発言。中川順子審議委員は今月7日、松江市内での講演で目標に向け、「着実に歩を進めている」と述べた。
日銀は政策判断の具体的な時期を明言していないが、「マイナス金利」解除後の金融環境についても情報を発信している。1月の会合後の記者会見で、植田氏は解除後も「極めて緩和的な金融環境が当面続く」と述べ、急ピッチの利上げは想定していないことを明らかにしている。
2月8日には内田真一副総裁が奈良市であった講演で、解除後の枠組みについて詳しく説明。長期金利を低く抑える長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)を見直した後も国債買い入れを通して市場の金利が急騰する事態を防ぐとし、株価を下支えする上場投資信託(ETF)購入については「やめるのが自然」と発言している。【加藤美穂子】
毎日新聞 2024/3/13 19:54(最終更新 3/14 08:36)
https://mainichi.jp/articles/20240313/k00/00m/020/308000c