1 :2023/07/15(土) 20:07:57.16 ID:GZuNJ9v69.net
2023年07月15日 07時02分
リニア中央新幹線の工事をめぐって、川勝平太知事の反発姿勢がたびたび報じられる静岡県。JR東海との関係は、1992年の東海道新幹線「のぞみ」導入のころから良好とは言い難い面がある。
静岡県には東から熱海駅、三島駅、新富士駅、静岡駅、掛川駅、浜松駅と6つの新幹線駅があり、155kmもの長距離区間なのに、のぞみは静岡県内に1本も停まらない。
このような状況をめぐり、過去には「新幹線通行税」構想が静岡県議会で出てくるほど、積もり積もった不満がある。
●静岡県知事が「大変な名案」と持ち上げた「通行税」構想
この「新幹線通行税」とはなんだろうか。2002年の静岡県議会定例会における、曽根恵津広県議(当時)の質問が発端となった。
「例えば、 県や県内企業がJRの株主となり積極的に意見を述べる機会を確保するとか、 通過するだけの『のぞみ』や『ひかり』 の乗車人数を地方税対象にしてはとか、 思い切った策を講じなければ県民は納得しないのではないでしょうか」
この質問に対して、石川嘉延知事(当時)は「大変これは検討に値する名案じゃないか」と賛同の姿勢を示したことで、大きな話題になった。
かつて、鉄道のグリーン料金とA寝台料金には、10%の「通行税」が課されていたのだが、消費税導入に伴って廃止されていたため、意外な形でその名前が出てくることになった。
県議や知事の発言の背景には、2003年の品川駅開業に伴うダイヤ改正で、JR東海が「ひかり」や「こだま」の特急料金を 「のぞみ」と統一し、 実質値上げを打ち出していたことがある。特に「のぞみ」が停まらない静岡県民にとっては、負担が増えるだけだった。
石川知事は県議会で「全く静岡県軽視でありまして、 まことに残念」と発言。「JR東海が本当にこちらの希望や考えに即していろいろな改善を図らざるを得ないような方向へ努力をしてまいりたい」と語っており、通行税への賛同は牽制の意味があったようだ。
これに対して、JR東海の葛西敬之社長(当時)は、2003年2月28日の会見で「エキセントリックだ」と批判した。
●幻のキャッチコピー「のぞみ禁止令」
「のぞみ」が停車しないことへの怒りは、たびたび県議会や市議会などで噴き出ている。