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※2023.05.20 07:00 NEWSポストセブン
中国人民解放軍傘下の軍事科学院放射線バイオテクノロジー研究所は、高線量の放射線に耐える微生物「クマムシ」の遺伝子をヒトの胚性幹細胞に組み込む実験を行い、放射線への耐性を著しく向上させることができたことが明らかになった。同研究所は核戦争のもとで放射線に耐えることができる「超人兵士」を実現させるために今後も実験を進める方針だという。香港の英字新聞「サウスチャイナモーニングポスト」が報じた。
中国人民解放軍傘下の軍事科学院放射線バイオテクノロジー研究所は、高線量の放射線に耐える微生物「クマムシ」の遺伝子をヒトの胚性幹細胞に組み込む実験を行い、放射線への耐性を著しく向上させることができたことが明らかになった。同研究所は核戦争のもとで放射線に耐えることができる「超人兵士」を実現させるために今後も実験を進める方針だという。香港の英字新聞「サウスチャイナモーニングポスト」が報じた。
この実験結果は、同研究所の越文教授が率いる研究チームが、中国語版学術誌「軍事医療科学」に発表したもの。研究チームはゲノム編集技術を用いて、クマムシの遺伝子を人工的に培養されたヒト胚細胞に組み入れたところ、ヒト胚細胞はクマムシの遺伝子になじむことが分かった。さらに、遺伝子解析によると、実験された細胞の染色体には変異は見られず、細胞は正常に機能し、また特定の発生段階では一般の幹細胞よりも速く成長したという。
さらに、研究チームは実験でクマムシの遺伝子を挿入したヒト胚性細胞に致死量のX線を照射したところ、その90%近くが生き残ったと発表している。
研究チームは今後、クマムシの遺伝子を組み入れた幹細胞を血液細胞に変換させていく実験を行い、原子力事故や核テロに対応する軍人、民間人、救急隊員が放射線障害リスクに直面するなか生存する確率を高めることを目指すとしている。
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