1 :2023/05/20(土) 09:52:23.32 ID:ipvp6HlM9.net
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2305/19/news157.html
中国でも(中国向けには発売予定のない)ゼルダの伝説ティアーズオブキングダム発売を待ち焦がれる人々がいる。彼らは発売日が決まったときから淘宝などに出店するゲーム屋に対し、発売日に海外での代理購入を頼み、料金を前払いした。
一方で発売日前に一時期データ流出騒ぎがあり、中国のSNSではそれを得たと報告した人にファンから非難の声が多数浴びせられた。
4月には中国で映画「スラムダンク」が記録的な興行収入を記録し、一時は映画館で「こんなに席が埋め尽くされるのは見たことがない」と言われるほど多くの人が映画にお金を落とした。
話題の作品だけにスクリーンを撮影して海賊版を配信する人々も出てきたが、「ファンとして映画館で金を落として体感したい」という声もまた多く目にした。
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かつて「海賊版天国」と言われていた中国だが、今は若者がコンテンツを金を払って正規版で見る動きが見られる。この動きは本物であり今後も続くのか、中国人全体の傾向としてあるのかを考察したい。
筆者自身もITmediaでかつて中国の海賊版にまつわる記事を書いている。その当時を振り返りながら、どこが変化し、なぜ変化できたのかを考えていく。
◼20年前の中国事情は
筆者が中国に暮らしはじめてIT事情をウォッチし始めたのはおよそ20年前となる2002年のこと。海賊版のソフトやゲームや映画が詰まったCD-Rを販売する屋台や商店が当たり前にあった。
ソフトを扱うパソコンショップや国営の書店「新華書店」にも箱のパッケージとなった海賊版が置かれていた。
つまりソフトやコンテンツを買おうとすると安い海賊版と高い海賊版しかなく、安いものはソフトウェア代は物理的な円盤の枚数で決まった。当時本人たちはそれが当たり前だから、自分のいる環境について(海賊版)天国とは思っていないが、正規版の入手が極めて難しかったため、敢えて正規版を買おうものなら偏屈な人に見られた。
◼本物を求めるようになった中国
現在の違いのひとつに、正規版コンテンツが容易に見られるという点がある。ゲーム・アニメ・音楽・映画それぞれに中国での配信権や運営権を得た企業がいて、検索なり動画アプリなりSteamなりで検索すれば正規のコンテンツが出てくる。以前のようにどこに売ってるかわからない状況と全く違う状況だ。
また当時、中国の海賊版問題の記事が出るたびに「どこで売っているかわからない」のほかに「正規版の価格が高すぎる」という言い訳がよく出ていた。
実際、月の所得が2~3万円が当たり前だった頃に、例えばWindowsやOffice、Photoshopのパッケージは月収くらいに相当するのであまりに高いし、輸入品のゲームにしても月収の数分の1とやはり高い。映画館も入場料が所得に比べて割高だったのでスカスカだった。
一方でご存知の通り中国経済はコロナに入るまで程度の差はあれど上り調子で、月収も10年20年で何倍にもなった。その結果、海賊版も出ているけど買える値段になったし正規版を買おうという人が増えた。
(略)
ゲームは多くがスマートフォンでのプレイで済ます中、都市部だと平均して学校のクラスの1人2人程度がゲーム機を買っていて遊ぶ。日本でいえばクラスの中のXboxユーザー、もう少し上の世代であればPCエンジンやメガドライブユーザーか、それよりも少数だがいるという感じだ。
それだけ少ないと余計にファンコミュニティが濃厚になるもので、学校のクラスではなく同じ都市・地域のゲーム機のユーザーが微信(WeChat)などのチャットグループに集まりゲームの話題を語り合う。語り合うだけでなく、ニンテンドープリペイドカードやSteamプリペイドカードなど各種プリペイドカードやプレイし終わったゲームが取引される。
中国の近年のファンコミュはゲームだけでなくアイドルでもどのジャンルでも「推すならしっかり金を落とす」というのが飛び交う会話の中であり、ファンコミュの中の会話でモラルが身についていく。
昔は「お金がないので買えません」といえば許されたが、今同じことを言えば「遊ぶな」とまで言われるようになった。
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