1 :2023/01/30(月) 13:54:33.70 ID:RUoU7c809.net
「寒いっす。他の生徒でコートを着て学校に行ったら、先生から指導を受けているのを見たこともある」。1月中旬、寒空の中を詰め襟の学ラン姿で歩いていた鹿児島市立の高校に通う3年生の男子生徒(17)が打ち明けた。この生徒は登下校時にコートなどは身に着けず、学生服の中にセーターや高機能な肌着をまとって寒さをしのいでいるという。
鹿児島市教委に2022年度の市立高校の校則を情報公開請求したところ、この男子生徒の学校則にはこう記されていた。「オーバー・ジャンバーコート等の着用は認めない。ただし、生徒指導部の異装許可がある場合はこの限りではない」。許可なく防寒着を着用することが、禁止されているのだ。
この高校近くの停留所では、バスから降りると、車内で着ていたジャンパーを脱いで学校に向かう生徒の姿も見られた。また、別の県立高の校則にも「ジャンパー類の使用は禁止する」との項目があり、通学する男子生徒(18)は「先生はコートを着ているのに、なんで俺たちはダメなのか。登校時に部活のジャンパーを着ていっても、いつも学校近くで脱いでいる」と恨み節を漏らす。
情報公開請求で明らかになった鹿児島市立高の校則を調べると、防寒着の着用に男女差を設けている学校もあった。「男子のコート類の着用は認めない。ただし、遠距離通学や病気の場合は、学級担任を経て学校の許可を得ることができる」「女子のコートは、本校指定のもののみ可とする」。女子はコート着用を認めるが、男子は原則不可とする内容だ。
なぜ、校則でコートなどの着用を制限するのか。冒頭の男子生徒が通う高校に取材すると、教頭は「昔からある校則なので、目的は分からない」と話した。「生徒は制服の中に着ることで防寒しているし、朝に学校に電話してコート着用の許可を取れば、着ていくこともできる」と説明する。段階的に校則は見直す予定だが、具体的な日程は決まっていない。
コート着用に男女差を設けていた高校も、その教育目的ははっきり分からないという。あくまでも推測と前置きした上で、男性教諭は「女子の制服は中に着込むことができないものが多いが、男子の学ランの場合は中に着ることができるからでは」と語った。ただ、教諭側からも疑問視する声が上がり、新年度から校則が見直される可能性があるという。
宮崎県弁護士会は22年8月に「校則見直しQ&A」という文書をまとめ、県内の教育委員会などに配布した。この中で、マフラーを禁止する校則などについて「寒暖の感じ方や体調には個人差があるにもかかわらず、画一的に統一することは、子どもの健康を害することにもなりかねない」と指摘した。
文書をまとめた校則プロジェクトチーム座長の竹内大樹弁護士は「子どもにも人権がある。その規制に教育上重要な目的があるかどうかが大事で、本当に必要な校則なのか、学校は再考してほしい」と話している。【宗岡敬介、一宮俊介】
1/29(日) 15:00配信 毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/22346f0be34f16fcb4fcb209c8b5100a342d0135
雪が降る中、ジャンパーなどを着ずに学生服姿で歩く生徒。この日の最低気温は氷点下2度だった=鹿児島市で2023年1月24日午後4時39分、宗岡敬介撮影
https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/amd-img/20230129-00000028-mai-000-19-view.jpg?pri=l&w=640&h=484&exp=10800