1 :2022/12/28(水) 23:45:09.72 ID:W06RCn379.net
(中略)
■ 「アニメ重視」「550円」でスタートする狙い
とにかく、DMMは決断し、DMM TVをスタートすることになった。
最大の特徴は「価格」。DMM TVの見放題作品が楽しめる「DMMプレミアム」の月額550円というのはかなり安い。
(中略)
そして次の特徴が「アニメ特化」。コンテンツの中でもアニメを非常に強く推しており、「アニメをたくさん見てもらう」構造の作りになっている。
この種のサービスではレコメンドが重要。NetflixやAmazon Prime Videoなどの大手では視聴履歴を使った機械的な生成を主軸にしているが、DMM TVは「列」をサービス側が人力で指定するやり方だ。「圧倒的に大量のコンテンツを不特定多数に見せる」なら機械的な生成の方が有利だが、「狙った顧客に特定のコンテンツを見せる」なら、人力でのレコメンデーションの方が向いている。日本のサービスでは、コストと投下できる技術の問題から人力型になりやすいが、DMM TVは「狙ってやっている」のが明白だ。
なぜここまでDMM TVはアニメ推しなのか? もちろん明確な戦略のもとに行なわれている。
村中:意図的にアニメを重視したサービスにしています。DMMを利用しているユーザーが属性的にアニメに近い、ということもあるのですが、アニメには独特の「みんなで楽しむ」文化があるのが面白いのです。これは、他のジャンルではあまり起きていない。リアルタイムでみんなが同じ時間に見て楽しむ、ある種の協調文化があるところが重要です。
「みんなで見る」ことでコンテンツが広がり、また、そこにいる人が楽しい……という要素が重要になるだろうと考えています。
アニメやファンの多いドラマの場合、毎週放送・配信タイミングで多くの人が同時に視聴し、その感想をシェアする「リアタイ実況」的な楽しみ方をしている人は多い。同時視聴でなかったとしても、残っているコメントやレビューは一種のコミュニティを構成する要素であり、作品を楽しむための大切な要素と言える。DMMはアニメに特化する上で、そうしたコミュニティ性が生み出す要素を重視したのだ。
一方で「無料配信も行なう」と村中氏は言う。視聴者を集める上では重要な要素だからだ。ただ、あくまで主軸はサブスクであり、広告による無料配信型、要はABEMAのような形は採らなかった。
村中:広告による無料配信だと、コンテンツの配信許諾が降りづらいところがあります。ただ、無料配信自体は行ないます。そうやって、毎日見に来るきっかけを作りたいです。
コンテンツという意味で、DMMというと気になるのは「アダルト」。DMMプレミアム会員になると、デジタルコマースが展開するアダルト作品の配信サービスであるFANZA TVの対象作品も見放題なる。ただし、利用はウェブサイトから。アプリを普通に使っている限りは表に見えない。
この点について村中氏に問うと、次のような答えが返ってきた。
村中:重要なコンテンツですが、アダルトがあれば客が来る、という時代でもありません。サービスの中には新作は入れていませんし、アダルトで誘引されてくるお客様は少ないでしょう。まったくいない、とも言いませんが。
むしろ一般コンテンツからDMMを認識してほしいとは思います。アプリの上からはほとんど見えませんし。
その上で、そうしたコンテンツの利用者は、男女とも、同様にいらっしゃいます。求められるのだとすれば「ない理由もない」というところでしょうか。
(中略)
■ 重視される「原作電子書籍」との連動
では、映像配信と連携するビジネスとしてどこが特に重要なのか?
村中氏は「電子書籍だ」と話す。
村中:電子書籍はもう、誰しも使ってもおかしくない、マスなサービスだと思います。その上で、動画と電子書籍はきっちりと連動させてビジネスをします。特に、漫画原作を手厚く展開し、弊社で作るオリジナル作品でも、電子書籍との連動を意識して考えます。
(中略)
AmazonやNetflixなどの大手と単純に競合するのは難しい。テレビ局系のサービスのように、自社放送に合わせてサービスを低コストにアピールできるわけでもない。
そこでの武器は、過去から培った、PPVや電子書籍、グッズ販売などとの連携だ。そうやって「大手とは違う」形でユーザーに定着を目指すのがDMMの戦略であり、そこから先への挑戦でもある。
12/27(火) 8:00配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/da303ccd703ac444a179f17c429648e844b9682e