1 :2022/06/26(日) 01:59:41.36 ID:1gmrpwms9.net
死刑とは犯した罪を自らの死によって償う刑罰で、刑法11条で死刑は刑事施設内において絞首にて執行すると定められている。だが、世界では約7割の国が死刑を廃止か停止している。国際的な潮流に逆行する日本には厳しい目も向けられているからこそ、我々は「国が人の命を奪う」死刑に向き合わなければならない。
日本では死刑判決はどう行われ、死刑囚はどんな生活をして、死刑はどう執行されるのか――。漫画家・一之瀬はちさんが実際に死刑に立ち会った刑務官に取材した実録作品『刑務官が明かす死刑の秘密』が注目を集めている。一之瀬さんは反響についてこう語る。
「読者の方々からは単純に死刑に対して賛成・反対意見、そしてそれ以外に『どのように死刑が行われているのかが知ることが出来た』といったことから、中には『(執行の)ボタンを押すのは遺族でも良いのでは?』と言った意見など様々なものが寄せられましたが、死刑の是非は一言で表現できるものではないのだと痛感させられました。
犯罪者側の立場、被害者側の立場、そして執行する立場…。それぞれの立場によって考えもまた変わるのだということに気付かされました。簡単に賛成・反対だけでは済ますことのできない難しい大きな問題だと思いますが、読者の皆様に塀の中で起きていることを知って頂き、死刑について考えるきっかけの1つになれれば幸いです」
■絞縄の工夫
一之瀬さんが取材したのは、実際に死刑に立ち会った経験のあるM刑務官。大学卒業後、刑務官試験に合格。地方刑務所、拘置支所勤務を経て、現在は某拘置所に勤務している。
日本での死刑は絞首刑つまり縊首(いしゅ)と刑法11条で定められている。これは、頸部を絞めることで死をもたらす方法である。死刑に必須な道具が、首に回されるロープ「絞縄(こうじょう)」。一見普通のロープのようだが、首に回したロープが落下の衝撃で外れないためのパーツとなる「鉄輪」が付いており、このパーツをロープを回した後に下げると、首から抜けにくくなるという構造だ。
『刑務官が明かす死刑の秘密』より
また、縄で首が切断されるのを防ぐため、のど元にくい込まない太さ2~2.5cmのナイロン製ロープを採用、絞縄には革がついているなどの工夫がある。
このように、拘置所には死刑にまつわる様々な道具や設備が備わっている。
■見えないように
たとえば、死刑執行の際、顔が見えないよう受刑者は「アイマスク」の着用が必須となる。
「昔は袋状のものをかぶせたりしていたようですが、今は下に医療用ガーゼを敷いたアイマスク型が主流です。どうしてアイマスクなのか。
まず1つ目は死に顔が外部から見えないようにするため。これは刑務官の心理的負担軽減のためです。2つ目は視覚から交感神経が刺激されて恐怖が増してしまうため。完全に視覚を遮るアイマスクで死刑囚の心を落ち着かせる目的があります。
『刑務官が明かす死刑の秘密』より
そして、一番大事なのが目玉が飛び出さないようにするためです。頸部が締まった衝撃で眼圧が高まり、目玉が飛び出すと言われている」(取材したM刑務官)
また、死刑執行の前に必要な道具のひとつに「砂袋」がある。どのように使用されるのだろうか――。
記事後編【死刑に参加した刑務官が明かす…執行の日まで繰り返される「死刑の練習」の全貌】に続きます。
2022.06.25
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/96649?page=1&imp=0
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