1 :2022/06/06(月) 18:11:39.44 ID:zMs3S2mX9.net
カリフォルニアの環境団体がミツバチの一種であるマルハナバチの保護を州に訴えた件について、カリフォルニア州控訴裁判所はマルハナバチがカリフォルニア州法の下で絶滅の危機に瀕した「魚」であると認め、保護される資格があるという判決を下したと報じられています。
Bees are ‘fish’ under Calif. Endangered Species Act – state court | Reuters
https://www.reuters.com/legal/litigation/bees-are-fish-under-calif-endangered-species-act-state-court-2022-06-01/
Bees Are Fish, California Court Rules
https://www.vice.com/en/article/5dgnn8/bees-are-fish-california-court-rules
今回の裁判は、カリフォルニア州にある複数の環境団体が、カリフォルニア州絶滅危惧種保護法(CESA)のもとでマルハナバチを保護対象とするべきと訴えたもの。カリフォルニア州の野生生物保護機関であるカリフォルニア州漁業狩猟委員会によると、
ミツバチは年々個体数を減らしており、一部の種は絶滅の危機にひんしているとのこと。すでに複数の野生動物保護団体が2018年の時点で、4種のマルハナバチをカリフォルニア州の絶滅危惧種リストに登録するべきだと陳情しています。
一方で、Almond Alliance of California、California Farm Bureau Federationなどの農業団体は「CESAは昆虫を保護していない」と述べ、マルハナバチの絶滅危惧種リストへの登録に反対していました。
マルハナバチの個体数減少には農薬散布の影響が指摘されており、マルハナバチが絶滅危惧種リストに登録されると農薬の使用が困難になるというのが、各農業団体の反対理由の1つです。
農業団体の指摘通り、CESAで保護対象として明示されているのは「鳥、哺乳類、魚、両生類、ハ虫類、植物」のみで、昆虫は保護対象となっていませんでした。CESAの中では「魚」とは何かが定義されていませんが、
CESAの上位にあるカリフォルニア州漁業狩猟法では、「『魚』には軟体生物、甲殻類、無脊椎動物が含まれる」と定義されており、裁判ではこの「魚」にマルハナバチが含まれるかどうかが争点となりました。
2020年、カリフォルニア州のサクラメント郡上位裁判所は、カリフォルニア州漁業狩猟法にある無脊椎動物には水生動物のみが含まれ、マルハナバチの絶滅危惧種リストへの登録は認めないという判決を下しました。
しかし、各環境保護団体はこの判決を不服として、控訴。カリフォルニア州控訴裁判所のロナルド・ロビー准判事は「『魚』は水生動物を指すと一般的に理解されていますが、法律ではそこまで限定されていません。
カリフォルニア州漁業狩猟法の『無脊椎動物』は陸生および水生動物を含むと解釈でき、これまでに州議会は少なくとも1つの陸生軟体動物の登録をすでに承認しています」と述べ、マルハナバチは陸生無脊椎動物であることから絶滅危惧種に指定することができると判断しています。
カリフォルニア州漁業狩猟委員会は今回の判決を受けて、問題となったマルハナバチ4種を「絶滅危惧種候補」に暫定し、実際に指定するかどうかを検討するまで暫定的に保護すると述べました。
スタンフォード大学ロースクールで環境法を扱うマシュー・サンダース氏は「今回の判決は、マルハナバチ、カリフォルニアの絶滅危惧の無脊椎動物すべて、そしてCESAにとっての勝利です。昆虫類はカリフォルニアの農業生産と健全な生態系の礎となるものです」とコメントしています。
一方で、農業団体の主任弁護士は「失望しました」とコメントし、さらに上告するかどうかは今回の判決から判断したいと語りました。