1 :2022/04/21(木) 19:49:42.55 ID:CAP_USER9.net
『呪術廻戦』(芥見下々)のコミックス第19巻が4月4日に発売され、発行元の集英社はシリーズの累計発行部数が6500万部を突破したことを発表した。現在、コミック市場(紙と電子)は1978年の統計開始以来の最大を記録しているが(出版科学研究所調べ)、『呪術廻戦』は『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴)終了以降にブームを牽引する筆頭に位置する作品である。
このメガヒットの余波として、SNS上では作者の芥見下々の性別を推測する声があがっている。「芥見下々は女性ではないか――」というものだ。
先日もマンガ家の赤松健(53)がツイッターのスペースで「『ジャンプ』の売れ線のやつはだいたい女性です。『鬼滅』も『呪術廻戦』もなんでもそうですよ」(3月4日付、現在は削除済み)と発言し、物議を醸している。なお、芥見は性別や年齢といったプロフィールを公表していない。
本人の了解を得ずに性別などのプライバシーを詮索する行為は、一昔前であれば「ヒット作家の宿命」とか「有名税」といった言葉で片付けられがちだった。読者の心情として「どんな人が描いたのだろう」と気になる気持ちもわからなくはない。しかしポイントは、マンガ家に対して「男性ではないか」という詮索はほとんど行われず、話題になるのは「(男性ではなく)女性なのではないか」というケースばかりなことだ。
実際、女性マンガ家が男性的なペンネームをつけたり、性別のわからないペンネームを使用するケースは多い。有名なケースとして、さとうふみや(『金田一少年の事件簿』作画担当)、大島司(『シュート!』)、荒川弘(『鋼の錬金術師』)などは、後に女性であることを公表している。
赤松健が芥見下々と一緒に例にあげた『鬼滅の刃』の吾峠呼世晴も、性別を公表していないが、女性ではないかと噂になることが多い。
読者が作者の性別を気にする傾向は、ジャンプ、マガジン、サンデーなどの週刊少年誌ほど顕著に見られる。実際に、少年誌では「女だから」という理由で女性作家(やその作品)が忌避されてきた歴史がある。たとえば「週刊少年マガジン」で『オフサイド』や『Jドリーム』などのスポーツマンガを連載した塀内夏子はデビュー当時、「塀内真人」という男性名義のペンネームを使用していた。塀内はその理由を「女の子(!)が描いたスポーツ漫画なんて、誰も読んでくれないんじゃないかって、思っていたからです」と、『オフサイド』10巻の著者近影コメントに記している。『金田一少年の事件簿』のさとうふみやも、編集部の意向で男性的なペンネームがつけられたと言われている。
とある現役のマンガ編集者は、女性マンガ家が性別を隠す理由についてこう語る。
「一昔前までの少年誌の現場には『女性マンガ家の作品は売れない』という意識が確かにありました。でも今は、マンガ家にも編集部にも『男が描いて男が読むもの』という感覚はほとんどないと思います。とはいえ少年マンガの読者にはSNSなどで『女かよ』的な発言をする人がいるのも事実で、それを気にするマンガ家さんも多い。話題になっていない人でも、女性のマンガ家は想像以上に多いですよ」
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