1 :2022/04/16(土) 14:04:24.17 ID:Z9e7S2rC9.net
https://news.yahoo.co.jp/articles/5f59fce78e88e8526405d9d51bd794e41a678215
SNSで話題の商品「黒マスクいつの間に」
黒マスクを着けるのが恥ずかしい――。
そんな思いをきっかけに開発された、ある商品がSNSで話題になっている。
商品名は「黒マスクいつの間に」。初日は白マスク、翌日は薄いグレー、だんだん濃くなっていき、最終日は黒、と日ごとに違う色のマスクを着けられる7枚セットだ。
「ゆっくりと黒に近づけていくから、周りの目も気になりません」とうたうが、なぜこの商品が話題になっているのか。消費動向に詳しい専門家に理由を聞いた。
「この商品を考えた人と友達になりたい」
商品の画像とともにこう記されたTwitterの投稿には22万超の「いいね」が押され、「黒マスクってそんなにハードル高い?」「確かに最初は恥ずかしかった」などと異論や共感を含めさまざまな意見が集まり話題になっている。
商品を開発・販売するのは名古屋市に本社を置く生活雑貨店、ヴィレッジヴァンガード。ニッチな雑貨を多数そろえ、ファンからは「ヴィレヴァン」の愛称で親しまれている。
同社によると、企画を立ち上げたのは新型コロナウイルスの流行が始まった2020年。
“思わずムフッと笑ってしまうモノづくり”を目指すプロダクト開発チーム「専業ムフ」と共同で、合計9〜10人のチームで作業を始めた。
ヴィレッジヴァンガードらしく、“遊び心のある”感染対策グッズを目指したという。その中で目を付けたのが、黒マスクだった。
「当時はまだ黒マスクを身につける人も少なく、まだまだ敷居の高いものでした」と担当者。
その後、販売開始が21年12月にずれ込む事態が発生し、街中で黒マスクを着ける人も増えてきたため「商品が受け入れられるか不安だった」というが、「予想に反して多くのお客さまから支持をいただいています」と担当者は胸をなでおろす。
販売にあたり、同社はマスクの色が日ごとに変わるのを周りに気づかれないかどうか、社内で実験したという。
「社員が使用し、担当者が日々確認をしていましたが、4日目までは気付かれませんでした。『この人色が変わってきているな』などの感じも全くすることなく、白から黒にマスクの色を自然に変化させることができました」
もともと話題化を狙った商品だったというが、発売から数カ月後にSNSの投稿をきっかけに一気に広まることになり、開発担当者らも驚いたという。
担当者は「日本人特有の同調性にフィットしたところが、お客さまに支持をいただけたところかと思います」と分析する。
清潔感・ポジティブ・無難――日本人はなぜ白マスクが多い?
もう1つ気になるのは、なぜ日本では白マスクが主流なのかということだ。
とりわけ韓国などはアイドルグループをはじめ多くの人が黒マスクを着けている印象が強い。山本さんは、日本で白マスクが主流となっている背景についても分析する。
「日本ではコロナ前は白マスクが一般的。医療従事者も白マスクがデフォルト(標準)となっていたように、『マスク=白』という文化が根付いている。もともと、冠婚葬祭の礼装などからも見られるように、日本では、白はポジティブな色であるという認識が強いということはあるかもしれない」
さらに、日本人の衛生観念との関連性についても言及する。
「日本人の清潔感に対する感度の高さ、そして清潔感をもっとも感じられる色は白であるという日本人特有の認識や感覚も影響している可能性がある。ある研究によると、『白には清潔感』があるという色彩感覚は、欧米はもとより、ほかのアジア諸国にもあまり見られない日本独特の色彩感覚であることが示されている」
「『白=無難なカラー』であることも、同調意識の高い日本人ならではの理由として考えられる」
コロナ禍を契機に、街中では黒マスクを着ける人もよく見かけるようになった。「マスクの着用が当たり前になったことで、マスクに個性・ファッションを求める意識が広まった」と山本さんは話す。
黒マスクが市民権を得はじめたことで、黒マスクに対する抵抗感がなくなってきているデータもあるという。
「黒マスクいつの間に」が話題を呼んだ背景は、「日本では白マスクが主流」という前提をうまく利用しつつ、SNSの特徴を巧みに捉えながら、話題化に成功したヴィレッジヴァンガードの戦略的勝利だといえそうだ。