1 :2022/04/09(土) 23:32:19 ID:LIj2GlSQ0●.net
植物は痛みのシグナルを発し、それを全身に伝える
植物に神経はないが、痛みを感じる植物特有の器官がある。それは養分を運ぶ師管だ。
植物が虫や草食動物に食べられたり、人間に切られたりすると、傷ついた細胞からグルタミン酸が流出する。
このグルタミン酸がグルタミン酸受容体に結合することで、細胞内にCa2⁺シグナル(傷害情報)が発生し、養分を運ぶための師管を通って、全身に伝搬するという。
埼玉大学の豊田正嗣准教授とウィスコンシン大学の研究者らは、カルシウムイオンやグルタミン酸のバイオセンサーを用いて、シロイヌナズナが傷つけられた時に起こるCa2⁺シグナル(傷害情報)伝搬の可視化に成功した。
その伝搬は速く、1〜2分で植物全体に行き渡るという。
植物は、"体が傷ついた"という情報を体全体に伝え、まだ傷を受けていない部分に急いで防衛反応を作動させるよう促している。
これまでの研究でも、植物は害虫や病原菌に攻撃された時、数分以内に遠く離れた健康な器官に植物ホルモン(ジャスモン酸)を合成させるなど、全身性の防御機構を活性化させることがわかっていた。
植物ホルモンは、昆虫にとって嫌な味になる化学物質を放出して、遠くにある葉に彼らの侵略に対する備えを固めさせる。
一方で寄生バチを惹き寄せるホルモンを放出して、襲ってくる昆虫を食べてもらったりする。
http://www.saitama-u.ac.jp/topics_archives/2018-0904-1014-19.html