1 :2022/03/28(月) 19:19:21.43 ID:7Wez0nur9.net
■「デマの半信半疑化」が起きている
現在、ロシアが画策している情報操作の多くは、旧ソ連時代にまでさかのぼることができるお家芸であり、まず相手を攻撃する理由を捏造(ねつぞう)して信用失墜を狙う「偽旗作戦」の典型例といえます。
これまでもロシアは、カザフスタンやジョージア(グルジア)などでアメリカの資金提供により致死性のウイルスを製造しているという発表を行い、ロシアのメディアなどが追随していました。まったく同じ手法をウクライナにも用いているのです。
しかしながら、どんなに荒唐無稽でも「政府→国営メディア→親ロシアメディア→SNSの親ロシアアカウント」というふうに情報が拡散されると、勝手連的な陰謀論者やインフルエンサーなどの間で情報は増幅されます。その結果、一定の信憑性が醸成される「デマの半信半疑化」が生じやすくなります。
事実、多くの著名人がロシアのプロパガンダに引きずられ、デマの片棒を担ぐ結果になっています。嘘に嘘を積み重ねる「嘘のミルフィーユ」戦略は、すべてが虚偽と断定するにはあまりにも膨大な量であるがゆえに、完全にデタラメな話には思いづらくなる効果が期待できるのです。
■Qアノン・反ワクチン運動との接近
反米イデオロギーに染まっていたり、反グローバリズムに凝り固まっていたりする人々であればなおさらこのような罠に掛かりやすくなります。
Qアノン(影の政府が世界を支配するというアメリカ発の極右陰謀論)や反ワクチン界隈への影響は甚大で、彼らにとってプーチン大統領は、ディープステート(影の政府)に立ち向かう英雄であり、今回の特別軍事作戦は、大量殺戮を招く生物兵器を破壊し、拘束された子どもたちを救うための戦いに見えているのです。
英ガーディアン紙は、反ワクチンや福音主義者、極右などコロナに懐疑的なグループにおいて、ウクライナ侵攻をディープステートへの攻撃と称賛する陰謀論であふれかえっている実態をリポートしています(Australian online anti-vaccine groups switch to Putin praise and Ukraine conspiracies/2022年3月2日/The Guardian)。
彼らは今までもコロナがアメリカの開発した生物兵器であるとの説を鵜呑みにし、西側諸国のコロナワクチンが毒物だとする偽情報に浸ってきました。
(中略)
ネット上では、ウクライナ侵攻自体が大勢の役者やCGによって創作されているという珍説を信じる者がおり、コロナ禍初期にパンデミックが周到に演出されたものと吹聴する陰謀論と非常によく似ています。陽動目的で架空の事件をでっち上げるというわけです。
■コロナ生物兵器の起源はソ連時代に
そもそも、コロナがアメリカの生物兵器だとする陰謀論の起源は、ソ連時代に仕掛けられた情報工作にまでたどれます。
国際政治学者のP・W・シンガーと米外交問題評議会客員研究員のエマーソン・T・ブルッキングは、「とりわけ悪名が高いのはアメリカ軍がエイズを発明したと主張するインフェクツィオン(ドイツ語で感染の意)作戦」だと述べ、1983年にKGBがインドのパトリオット紙に論文を掲載したのが作戦の始まりとしています。
(中略)
金儲けと強欲がはびこっているように見える市場経済や、機能不全に陥っているように感じられる民主制が、自分たちの実存を脅かすものと捉える立場から見た場合、陰謀論は自分たちを納得させる認知的な整合を図るための格好の役割を果たします。
■社会への不信からフェイクを求める
政府に対する不信感が強く、現状に憤りや不満を抱えている人々も同様に動員される可能性が高まります。
現在の市場経済や民主制に上手く適合している富裕層やエリートなどといった階層への反発が蓄積しているほど、彼らがこぞって祭り上げる現実への拒絶が起きやすくなります。むしろそれらすべてを虚構の産物と嘲笑い、世界支配を目論む主犯が暴露され、懲罰される願望とも幻想ともつかない信念によって、自らの尊厳を手当てしようと企てずにはいられないからです。(続きはソース)
3/25(金) 7:00配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/4ace954403d39b36588ad92520a9f457b3ec2cff