1 :2022/03/07(月) 19:56:51.49 ID:+eJaZQkc9.net
部落差別の解消を目指した「全国水平社」が京都で創立されてから100年となった3日、京都に本山を置く浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺)と真宗大谷派(本山・東本願寺)が、あらゆる差別をなくし、人間一人一人が尊重される社会に向けて取り組むとする声明をそれぞれ出した。浄土真宗は念仏の下、全ての人は等しく「同朋(どうぼう)(仲間)」であると説いた親鸞を宗祖とし、被差別部落の人々から信仰を集めたが、差別は教団内にもさまざまな形であった。多くの門徒が教団への怒りを込めて水平社運動に加わった、歴史に立ち返っての誓いでもある。
声明で、本願寺派は「親鸞聖人の同朋精神に立ち還ってほしいとの水平社の解放への願いに、当時の教団が十分に応えることができなかったことを重く受け止めたい」、大谷派は「(水平社の)歴史の重さは、私どもにとって誠に慚愧(ざんき)すべき年月であると受け止める」と、1世紀を振り返った。
被差別部落の人々自身が立ち上がり、1922年3月3日に結成された水平社は、創立と同時に両教団の差別構造を追及した。「人の世に熱あれ、人間に光あれ」の文言で名高い「水平社宣言」とともに採択された、具体的な行動を示す「決議」の一つは「東西両本願寺への意見聴取に基づいた行動をとる」。寺が本山に納めるべき「募財」や、「解放の精神を麻痺(まひ)せしむるが如(ごと)き一切の教化運動」の拒否を打ち出した。
被差別部落の寺の多くは浄土真宗寺院とされ、更にその多くが本願寺派とされる。水平社の中心人物で、宣言を起草した西光(さいこう)万吉(1895〜1970年)は、現在の奈良県御所市の本願寺派寺院に生まれ育った僧侶。江戸時代から、被差別部落の寺院は他の寺院と異なる制度下に置かれて差別されており、教団に対する行動は「親鸞の教えを見失っている」という内部からの痛切な告発でもあった。
一方で僧侶による差別もあり、被差別部落の人をおとしめる発言や、「身元調査」に応じるといったことが繰り返されてきた。教団は批判から目を背けず自らを省みて、90年代までに、かつて差別法名を与えていた実態などを明らかにしている。
大谷派は「あらゆる差別からの真の人間解放を願い、これからも不断の取り組みを継続していく」、本願寺派は「差別・被差別からの解放を目指して、真摯(しんし)に取り組んでいく」と締めくくっている。【南陽子】
3/4(金) 11:44配信
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