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【第2の中世】─富の偏在─「現代の闇」を予言したマルクスとケインズ スマホ支配は「アヘン貿易の世界化」…

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1 :2022/03/07(月) 09:44:19.18 ID:1JeqyNRS9.net

現代のグローバル社会の構図は、「アヘン貿易の世界化」に他ならない。私たちはマルクスとケインズが発した警鐘をどう受け止めるべきか。前回に続き、元朝日新聞社長で政治思想や文明論に詳しい木村伊量氏と、近著『次なる100年』を上梓し「第2の中世」の到来を唱える水野和夫氏が縦横に語りあう。

■「ゼロ金利」を予言したケインズ

 水野:次の100年と言いますか、次の時代の指針という意味で、ケインズの提言は面白いですね。ケインズは90年も前に、現代風に意訳すれば「ゼロ金利になれば、財産としての貨幣愛は追求する必要はない。だからミリオネアはもういらない」と言っています。ゼロ金利を達成した社会は、必要なものを必要なところに供給できる体制になっていると。

 それでもケインズは、やはり人間の本性というのは、人類誕生以来、働け、働けと習慣化されているので、急には実現できないが、週15時間働けば大丈夫と試算しているんですね。ゼロ金利になって、新規の投資を行わなくてもよくなれば、週15時間労働で十分必要なものが提供できる。あとは自由時間を満喫できると言っています。

 ケインズの慧眼は、1930年の論文で、100年後の2030年にはゼロ金利になると予想しているんですよ。

(割愛)

■ケインズの慧眼――行き過ぎた貨幣愛は悪

 木村:マックス・ウェーバーが言うところの「精神なき専門人」「心情なき享楽人」でしょうか。そういう人たちは、ケインズやプルードンや荘子からすると、もう唾棄すべき人たちということになりますね。

 水野:改めてケインズの慧眼だと思うのは、ロックの性善説はダメだと。それからマルクスの財産を国有化しろというのも行き過ぎてダメだと。その真ん中を行って、ビリオネアは社会から隔離しようと。行き過ぎた貨幣愛は悪だと言っていることですね。

 私は、日本が最初に2030年に財産禁止令を出すべきだと思っています(笑)。一生涯使い切れないような、たとえば1000億円以上の資産を持っている超富裕層には、生きているうちに取り上げるとレーニンのつくったソビエトみたいになってしまいますから、相続のときに一定額を超えた分は国に戻す、という制度をつくるべきだと思います。それぐらい誰も文句は言わないと。

 木村:へえ、おもしろいなあ。文句は言わないと願いたいですね。それこそアダム・スミスが『道徳情操論』で言っていたような倫理道徳と経済の問題、つまりは、内なる道徳、シンパシーによって「人と人」がつながるフェアプレーの精神の重要さですね。

(割愛)

■スマホは現代のアヘンである

 「アヘンに代わって、いまやスマホが21世紀のアヘンだ」なんていうとパラノイアみたいに思われるかもしれませんが、いまや40ドルほどでだれもが手にすることができるスマホで、われわれはいつでも世界中と通信し、情報検索ができる。その反面、個人情報のビッグデータは集積され、分類され、不可視の構造の中で、知らず知らずのうちにGAFAの支配下に入っているわけですよね。

 水野:もうアヘン漬けにされているんですね。

 木村:そう、おそらく、気づかないうちにね。だから、いまや007のような諜報部員が活躍する余地はないわけですよ。われわれは専制権力に強制されることなく、パソコンやスマホを通して自分の個人情報を自ら差し出していて、たとえば血圧や血糖値といったバイタルデータまですべてが掌握されている。そうしたビッグデータが誰に、それがどのように使われるか、まったくわからない。新たな「ビッグ・ブラザー」が支配する、ジョージ・オーウェル的な21世紀版のディストピア。

 19世紀の最後の年に死んだ哲学者のフリードリヒ・ニーチェは「神は死んだ」と宣告しましたが、彼は結論を急ぎ過ぎたのかもしれません。いまや、ビッグデータの「クモの巣」こそは新しい神なのですね。19世紀に死んだ神は、21世紀に復活しているのです。

全文はソースで
https://m.finance.yahoo.co.jp/news/detail/20220307-00513989-toyo-column