1 :2022/02/24(木) 12:33:07.77 ID:TEtpYTDP9.net
https://www.sankei.com/article/20220223-KELL2VQLHRNIROGV6EJTMQ5CJU/
さまざまな社会のひずみを顕在化させた新型コロナウイルス禍の中で、意に反して孤独に陥る人が増え、女性や子供の自殺者が増加するなど深刻な事態を招いている。「孤独・孤立」は自殺や引きこもり、貧困などさまざまなリスクをはらむことから、政府は令和3年、内閣官房に専用の対策室を設置した。女性や子供だけでなく、中高年男性の孤立も際立っており、男性へのアプローチが重要度を増している。
「孤独は『心の飢餓』。それなのに日本では孤独を礼賛する風潮が強く、望まない孤独に陥った人が、支援を求める声を上げにくい」。こう指摘するのは、『世界一孤独な日本のオジサン』(角川新書)の著者で、日本や海外のコミュニケーション事情に詳しい岡本純子さんだ。
岡本さんは孤独が人間の精神や肉体に与える影響を調べてきた。著書の中では「社会的なつながりを持つ人は、持たない人に比べて、早期死亡リスクが50%低下する」という米国の大学教授の研究を紹介。「人との温かいつながりによって人は健康になり、幸福感を持つ。日本では、そういう認識や考え方がまだ広まっていない」と主張する。
孤独が原因でアルコール依存症になったり、ゴミをため込んだりするケースも。「人への当たりが強くなり、クレームをやたら言う人になる場合もある。孤独な人が増えれば、社会の寛容性が失われることにもつながる」という。
特に岡本さんが問題視するのが、中高年男性の孤独が見過ごされている点だ。「本を出した約4年前、書店には『孤独はすばらしい』『孤独は男の勲章だ』という本が何冊も並んでいた。それは今も変わっていない」
岡本さんによると、若者や女性の孤独が解決すべき問題として注目される一方、中高年男性の孤独は「自己責任」と捉えられ、これまで認識されにくかったという。
日本の高齢男性の他人との交流が、欧米よりも少ないことを示す調査結果もある。内閣府が令和2年12月〜3年1月に60歳以上を対象に実施した「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」では、「同居の家族以外に頼れる人」として「友人」を挙げた日本人男性は14・1%。米国の33・9%、ドイツの48・2%と比較して低い割合だった。
また、「親しい友人」については日本人男性の40・4%が「いない」と回答。日本人女性の23%、米国、ドイツ、スウェーデンの男性の18・8〜9・8%よりも高く、孤独に陥りやすい状況が浮かび上がった。
「日本の男性は1人で強く生きていくべきだという社会的な規範に縛られがちで、寂しくても助けを求めにくい」。岡本さんは言う。
孤独対策をいち早く進めているのが英国だ。孤独を深刻な「現代の伝染病」と捉え、研究を進め、2018年には孤独担当相を設置した。