1 :2022/01/28(金) 21:05:22.83 ID:/rCys69N9.net
2018年3月、1時間に3回の放射を行う回転する天体が見つかった。発見当時は地球から見える最も明るい電波源となり、宇宙の灯台のようだった。
研究者はこの天体が高密度の中性子星や白色矮星(わいせい)など、強力な磁場を持つ終末を迎えた星の残骸だろうと推測するが、まったく違う何かである可能性もある。
この発見は今月26日に英科学誌ネイチャーに掲載された。
筆頭著者でカーティン大学国際電波天文学研究センターの天体物理学者、ナターシャ・ハーリーウォーカー氏は声明で「この天体は我々が観察している間の数時間に現れたり消えたりした」と説明。「完全に予想外だった。こんな存在は知られておらず、ある種不気味だった。我々に極めて近い約4000光年の距離、我々の銀河の裏庭にある」と語った。
この天体を見つけたのは同大博士課程の学生、タイロン・オドハティー氏。西オーストラリア州の内陸部にあるマーチソン広視野アレイ(MWA)望遠鏡を利用した。「MWAが持つ広い視野と非常に高い感度は、空全体を調査して想定外のものを探すのに理想的」と同氏は語る。
当該の天体が極度に強い磁場を持つ中性子星であるマグネターだった場合のイメージ図/ICRAR
点滅を繰り返すこうした天体は「トランジェント」と呼ばれている。
共同著者のゲンマ・アンダーソン氏は「トランジェントの研究では、巨大な星の最期かその残骸の活動を観察することになる。超新星のような『遅いトランジェント』は数日かけて現れ、数カ月かけて消えていく。パルサーと呼ばれる中性子星などの『早いトランジェント』は点滅を数ミリ秒から数秒で繰り返す」と説明する。
だが、今回発見された天体は、18分おきに約1分間放射する状態だった。研究者らは、これは超長周期マグネターの定義に当てはまるかもしれないと語る。マグネターは通常秒単位で点滅するが、この天体はより長い期間がかかる。
ハーリーウォーカー氏は「これは理論的に存在が予測されていた、ゆっくり回転する中性子星の一種だ。こんなに明るいとは予想しておらず、誰もこのように直接見つけられると思わなかった。磁気エネルギーを、既知の方法よりはるかに効率的な何らかの方法で電波へと変換している」と語る。
研究者はこの天体が再び出現するか、また他にも同じような天体がないか、観察を続けている。もし見つかれば「これが1度だけのまれな事象か、我々がまだ気づかない巨大な新たな一群があるのかがわかる」とハーリーウォーカー氏は語る。
2022.01.28 Fri posted at 18:18 JST
https://www.cnn.co.jp/fringe/35182781.html