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脆弱な安全体制を検証すると…
2022/1/16 12:00 (JST)
1/16 20:09 (JST)updated
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佐々木央
47NEWS編集部、共同通信編集委員
どんなに恐ろしく、どんなに痛く、救助されるまで、どんなに苦しかっただろう。栃木県の那須サファリパークで1月5日朝、飼育係3人がベンガルトラに襲われた。1人は右手首を失った。
動物園やサファリパークは、野生動物の魅力や迫力を伝え、自然と人間の関係を考えるきっかけを与える。その根底にあるのは、命の大切さだと思う。ところが、そこで働く人が死傷する事故がなくならない。
この事故については、まだ分からないことが多い。園の説明によれば、トラは本来いるはずのない通路にいたとみられる。前日夕、夜間収容する獣舎に戻していなかったらしい。事故から2日後の7日、栃木県警が家宅捜索に入り、捜査を始めている。刑事事件としては、安全管理の実態や具体的な過失の特定、そしてその失敗がなぜ起きたのか、誰に責任があるのかが焦点になるだろう。
しかし、それだけでは背景にある問題を見落とすことになるのではないか。私はこれまで14年間、動物園や水族館を取材してきた。そこで知り得たことと、いま分かっている情報から、この事故の構造的な要因を探りたい。(共同通信=佐々木央)
▼3度の事故でけがをした全員が20代
「おやっ」と思ったのは、けがをした3人が全員20代であったことだ。最初にトラと鉢合わせした女性飼育係は肉食獣担当で26歳、救助に駆け付け手首を失った女性飼育係は「ふれあい広場」の小動物担当で22歳、同じく救助しようとして襲われた男性飼育係は大型動物担当で24歳。飼育係としてのキャリアは順に4年目、2年目、4年目だという。
那須サファリでは97年、女性飼育係2人がライオンにかまれ重傷を負ったが、2人の年齢は19歳と21歳だった。その3年後にも、21歳の男性飼育係がライオンに襲われ、大けがをした。若い人ばかりが被害に遭っている。
飼育係に要求されることは幅広く、奥が深い。動物を健康に飼ったり繁殖させたりする技術にとどまらず、野生下の状態を十分に知って飼育に生かし、訪れる人に対して動物や自然に対する認識を深めてもらう展示手法も追求しなければならない。自ら経験を積み、また経験を積んだベテランに学ぶ必要がある。
そうだとすると、動物園やサファリパークにおける飼育スタッフの人員構成は、ベテランと中堅、若手のバランスがある程度、取れている必要がある。
那須サファリはどうだったのか。たまたま、若い人たちが被害に遭ったのか。どうやらそうではない。従業員は五十数人で飼育スタッフは18人。多くが20代だという。なぜ、若手に偏っているのか。
▼圧倒的な買い手市場で起きること
===== 後略 =====
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https://nordot.app/854032330268147712