1 :2021/12/07(火) 13:01:18.80 ID:K6uKhp2i9.net
中川 恵一・東大大学院医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授
大正デモクラシーから、満州事変、日中戦争、そして太平洋戦争を経て、平和憲法と戦争放棄へ――。
戦前から戦後にかけての我が国の姿は、ジェットコースターのように大きく振れました。
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するワクチンを巡る問題も、揺れやすい日本人の心情によるものかもしれません。
子宮頸(けい)がんの発症原因のほとんど100%は、性交渉に伴うこのウイルスの感染です。
このウイルスは日本女性の7〜8割が感染経験を持つごくありふれたものです。
感染してもほとんどが2年以内に自然に消失しますが、ごくまれに感染が持続し、
前がん病変(がんになる前の状態)を経て、15〜20年という長い時間をかけて子宮頸がんになります。
しかし、このウイルスの感染がなければ、子宮頸がんを発症することはほぼありません。
性経験のない女性にはできないタイプのがんと言えます。
子宮頸がんは年間約1万人に発症し、約3000人が死亡しています。
セックスデビュー」の若年化やオープンな性行動などに伴って、子宮頸がんが若い世代に急増しています。
1970年代、ピークは60〜70歳代でしたが、80年代には40〜50歳代にシフトし、
現在は30歳代にもっとも多く発症します。20〜30歳代の罹患(りかん)率は過去20年間で2〜4倍に達します。
子宮頸部(膣=ちつ=につながる部分)へのHPVの感染は、性交渉に伴うものですから、
パートナーの数が多いほど、子宮頸がんのリスクが高まります。
https://mainichi.jp/premier/health/articles/20211206/med/00m/100/007000c