1 :2021/06/29(火) 07:21:07.94 ID:CAP_USER9.net
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/84604
脅迫メールを送りつける
29歳のアイドルに熱を上げた63歳の男性がストーカーと化して逮捕されたニュースは、高齢化社会とアイドル戦国時代、2つの社会現象が重なったところに起きたように見える事件だ。
アイドルライターの高山登氏は「アイドル戦国時代といわれる時代に入って、各グループがファン獲得の競争を激しくする中、高齢者のファンも大きな顧客層になって、夢中になる60〜70代のファンも増えている」という。
今回の事件は、新潟県で長く活動してきた、ご当地アイドルのパイオニアと呼ばれる女性グループ、Negiccoのメンバー・Kaedeが結婚したことに不満を持った神奈川県在住の63歳の派遣社員男性が、謝罪を要求する脅迫的なメールを複数回送り、強要未遂の疑いで逮捕されたものだ。
所属事務所のホームページには「数年前よりTwitterで、事実無根の書き込みが繰り返しありましたが、今年に入り書き込みも脅迫行為となる内容にエスカレート」とある。いかにもアイドルにのめり込むあまり、感情が制御できなくなったファンのストーカー化という印象だ。警察の調べに対し容疑者が「脅すつもりはなかった」と言っているのも、愛憎の表れか。
10年ほど前からアイドルグループが数えきれないほど生まれて「アイドル戦国時代」と呼ばれるようになって以降、一部ファンによるストーカー化が問題となってきた。これは昔、テレビでしか見ることのできなかったアイドルが“会える”商法を主流にしたことも大きい。
「アイドル自身がSNSでファンと直接、メッセージのやり取りができる時代ですからね。昔もアイドル熱は高かったですが、活動期間が短かった。ピンクレディーもキャンディーズもたった5年でした。そうするとファンも同時に卒業していました。松田聖子のような息の長いアイドルも、アイドルから本格的歌手になることで、応援の質を変化させていました。
でも、いまはアイドルの活動期間が長く、卒業できないファンがいます。15年前に40代後半だった男性が、アイドル戦国時代をずっと追っかけたら60代。特にキャバクラなど水商売で遊ばないタイプがアイドルにのめり込むと、疑似恋愛に免疫がなく、ストーカー化しやすいところもあります」(高山氏)
水商売の世界は、疑似恋愛の提供ともいわれる。酒の席と割りきって遊ぶ人たちだけでなく、店に通い詰めた男性が、ホステスの女性を「俺の彼女」と呼んだり、ホストクラブでお気に入りホストを「付き合っている彼氏」と呼ぶ女性はいる。
それと似て、会いに行ったりSNSでメッセージを送ったりできるアイドルを、まるで恋人のように錯覚するファンが出てくる。それがトラブル化の発端だが、アイドル側もその商法をやめることはしない。
路線変更しようとしても…
秋葉原のオタク向けアイドルだったAKB48が全国区の人気となって約10年、アイドル飽和状態での競争激化から、より個性を強める多様化の現象があり、Negiccoはメンバー全員が結婚という大胆路線をとった。2019年、2020年にメンバー2人の結婚に続き、今年はKaedeが学生時代の同級生との結婚を発表した。
AKB48は「恋愛禁止ルール」を打ち出し、それに続くかたちでタブーとなっていたアイドルの恋愛も、いまでは結婚や妊娠をしてもファンから祝福を受けるパターンはある。Negiccoの場合、結成が2003年と古く、メンバーの年齢的にも疑似恋愛からの脱却が良策だっただろう。
「アイドル活動しながら新潟大工学部に入学したリケジョでもあるKaedeさんも、他のアイドルをプロデュースしたり、女性ファンも増えるソロ活動があったりで、アイドルからタレントへ移行する感じでしたが、その変化に対応できないファンがいるのもまた事実」(高山氏)
売り出すための戦略が多様化していても、アイドルの人気取りの基本軸は疑似恋愛だろう。ファンのすべてが路線の変化を許容しているわけでもないのは、2017年の人気投票イベントの開票時に結婚宣言をして批判を浴びたNMB48の須藤凜々花の例もある。
「ただ、事件化しているから大きくなっているだけで、こういう話はまったく珍しくなく、高齢ファンが怖いというのはよくアイドルから耳にする話」と高山氏。
「20〜40代のファンに比べると60代以降のファンは、お金と時間に余裕がある人が多く、すべての出演イベントに顔を出すなんて贅沢なことをしている人もいます。AKB48の握手会みたいに、商品の購入数によって接触の回数が増える特典を付けていたのはNegiccoも同じ。CDを買ったら握手会に参加、3枚買えば写真撮影とか。
(以下リンク先で)