1 :2021/06/13(日) 20:50:20.94 ID:CAP_USER9.net
渦中の人物となっているのはニュージーランド出身の重量挙げ選手ローレル・ハバード。1978年に男性として生まれたハバード選手は、20代の頃は男子選手として活躍。30代でホルモン治療を受けて女性となったのち、2013年に女子選手へと転向。2020年、イタリア・ローマで開催されたワールドカップの女子+87kg級で金メダルを獲得した注目アスリートだ。
新型コロナウイルスの影響を考慮して国際ウエイトリフティング連盟(IWF)によって変更された新たな予選基準を満たす可能性が高いことと、国際オリンピック委員会(IOC)が規定した血液中のテストステロン(男性ホルモン値)が基準を下回っていることなどから、初のトランスジェンダー選手として東京オリンピックに出場することが期待されている。
「新時代のアスリートだ!」「歴史的快挙になりそう」と彼女をサポートする声もあるなか、ライバルとなる女子選手からは「不公平だ」という批判も噴出。
沈黙を破ったのはベルギーのアンナ・バンベリンゲン選手。ハバード選手とは同じ階級のため、オリンピックに彼女が出場するとなれば大きな影響を受けることとなる。
insidethegames.bizによると、バンベリンゲン選手は「まず最初に私はトランスジェンダーコミュニティを全面的に支持しています。今から言うことは、このアスリートのアイデンティティを拒絶しているわけではありません」と述べつつ、「トランスジェンダー選手が女子スポーツに出場するのはまるで“悪い冗談”のように感じます」「重量挙げを高いレベルでトレーニングしたことのある人なら誰でも、この特殊な状況はスポーツとアスリートにとって不公平だとわかるはずです」「思春期から35歳までの20年間を男性ホルモンシステムのもとで生きたことが、女子スポーツにおいてどれほど有利になるか、なぜいまだに問題になっているのでしょうか?」とコメント。ハバード選手がオリンピックに出場することによって「人生を変えるチャンスを逃してしまうアスリートもいる」「誰もがスポーツにアクセスできるべきだと信じていますが、ほかの人を犠牲にしてはいけません」と、トランスジェンダー選手が女子スポーツに参加することに“断固反対”の姿勢をとった。
トランスジェンダー選手の活躍について、否定的な意見を述べる人は少なくない。ケンダル&カイリー・ジェンナーの父親でモントリオール五輪の陸上・十種競技で金メダルを獲得したケイトリン・ジェンナーは、自身もトランスジェンダー女性という立場ながら「公平性を守るため、生物学的には男子であるトランスジェンダーが学校で女子スポーツに参加することを禁じる法案を支持する」と発言したことで話題に。「LGBTQ+コミュニティへの裏切り行為だ」「差別的」という声が相次いだ。
実際にアメリカ・フロリダ州では、世界的なプライド月間である6月に「出生時の性と自認する性が異なるトランスジェンダーの女性を、学校の女子スポーツから追放する」という法律が知事の署名を経て成立。トランスジェンダーのアスリートたちにとって風当たりが強い状況が続いている。
ハバード選手のオリンピック出場の可能性を批判したバンベリンゲン選手は「トランスジェンダーがスポーツに参加するための法的な枠組みを定義することは非常に困難であり、どちらの立場からも完全に満足のいく解決策に到達することはおそらく不可能であることは承知しています」とも語っている。世の中の意見も真っ二つにわかれるこの議論、オリンピックまでになんらかの“答え”が見つかることを願いたい。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4b099117f86abd2a505792c8fc27ad45be1e1e8e