1 :2021/06/12(土) 12:26:43.11 ID:Cb8U255G9.net
「主人を差し置いて議員になるなんて許せない」。
鹿児島市議会議員の志摩れい子さん(77)は、県議会議員に初当選した25年以上前、懇親会の場で言われたことを鮮明に覚えている。
隣にいた夫は「気にしなくていい」と励ましてくれたが、やるせなさが込み上げてきた。
当時の県議57人中、女性は1人。立候補する際、女性である自分への誹謗(ひぼう)中傷が寄せられることはある程度覚悟していたつもりだった。
一部の年上の女性から「女のあんたは当選するでしょ」と投げやりな言葉を掛けられた時、さすがに胸が痛んだ。
「自分の妻なら絶対に議員をさせない」と言う男性も。選挙への影響を考えるととても反論できなかった。
当選後、住民の要望や課題と感じたことは一度きりの指摘で済まさず、当局に何度も訴え続けた。
そのかいあって政策に反映されても「女だから意見が通った」と言われる始末だった。
■程遠い目標
「女が男の領域に入ってくるなと非難された」「鹿児島で小娘に何ができるんだ?と言われた」
南日本新聞が県内の全女性議員77人(2月時点で議員だった元職含む)を対象にしたアンケートで、
「おなごのくせに」といった男性優位の風潮が残っている実態が数多く届いた。ベテランだけでなく、1期目の議員からも相次いだ。
県内43市町村議会での女性の割合は6月1日現在、平均10.4%にとどまる。南大隅町の25%が最も高いものの、政府が掲げる「25年までに35%」との目標には程遠い。
20%以上が6市町、20%未満16市町、10%未満9市町。12市町村議会では女性が1人もいない。
■職員席は後ろ
60代女性議員が1年半前、議長選に立候補した時のことだ。「そろそろ、いいんじゃないか」。同僚の男性議員から制された。
これまで常任委員長や副議長などを歴任してきた。同僚の言葉は「女が議長までするのはあんまりだ。
副議長で十分ではないか」との趣旨。「まだこんな考えをする議員がいるのか」と落胆した。
監査委員になった数年前にも不愉快な思いをした。県内議会の監査委員が集まる研修に出向くと、自分以外は当局も含めて全員男性。
運営に当たっていた自治体職員にこう言われた。「職員席は後ろですよ」
「確認もせずに声を掛けられ、『女性の役ではない』と思われていると感じた」と振り返る。職員は平謝りだったという。
政治は男の世界−。「女が口を出すな」との雰囲気を今なお感じる。
現状を打破しようと、商工会女性部や女性が集まる各種会合で、暮らしに直結する政治を身近に感じ、関心を持ってもらえるよう心掛けている。
https://373news.com/_news/?storyid=138295