1 :2021/05/17(月) 02:59:37.29 ID:zM1WmX0Q9.net
※本稿は、佐光紀子『なぜ妻は「手伝う」と怒るのか:妻と夫の溝を埋める54のヒント』(平凡社新書)の一部を再編集したものです。
■妻からバッシングされがちな買い物
「はじめてのおつかい」というテレビ番組をご存じだろうか。
子どもが、親御さんに頼まれて、初めてひとりでおつかいに行く姿をテレビカメラが追うドキュメンタリーだ。大人と一緒ならなんのことはないタスクを、三歳、四歳の子が初めてこなすことで起こる大冒険。
買うものを忘れてしまったり、おつりを取り忘れたり、買ったものが重くて持ち帰るのがつらくなってしまったり。そんなトラブルを乗り越えようとする子どもたちを、親ではなく、お店や周囲の大人が助ける。
途中で、くたびれてしまって、道にへたりこんだり、一緒にでかけた弟がだだをこねたりする姿を、カメラが丁寧に映し出すという人気番組だ。
確かに初めておつかいに行く三歳児、四歳児にとって、おつかいは文字通り未知の世界だろう。だが、見方を変えると、三歳児、四歳児でも、こなせるのがおつかいだ、とも言える。初回は確かに大冒険でも、慣れてくれば、子どもたちも、近所のお店に牛乳を買いに行くことなど、苦もなくこなせるようになってしまう。
そういう意味で、おつかいは、子どものお手伝いの典型だ。子どもでもできるんだから、大人の夫にとっては朝飯前。そう言いたいところだが、実際は、夫が手を出したときに、妻のバッシングがひどい家事の一つが、買い物だ。
■妻が想定した“絶対の正解”を買わなければ感謝されない
夫の買い物ネタをよく取り上げている投稿サイト「ガールズちゃんねる」から、バッシング具合をいくつか引用する(この章での引用は特に断りがなければ同サイトより)。
・大体間違えるから頼まない
・画像付きで買い物頼んでも違うの買ってくるからもうどうしたら……
・三つ頼むとそのうちの二つを忘れて、その代わり大量のお菓子を買ってくる。子供のおつかいみたいだなぁと思うことがある。
夫の買い物へのコメントで非常によく出くわすのが「違う」「間違えた」という言葉だ。
これは、彼女たちの頭の中に、絶対の正解があることを示している。彼女たちが買い物を頼むとき、頭の中には、ドストライクの商品が一つはっきりとイメージされている。
それ以外のものは全て、はずれであり、間違いなのだ。別の言い方をすると、彼女たちの想定している絶対の正解を買ってこなければ、感謝もされないし、喜んでももらえない。
子どもがおつかいでうまくいくのは、単体やごく少数のものを頼まれるからだ。そこには、子どもの自主性も独自の判断も、入り込む余地はない。言われたことをちゃんとやることが、買い物の最大のタスクなのだ。
そういう意味で、おつかいではあくまでも、ボスたる妻のご意向にあったものを外さずに買ってくることが求められる。買い物、特に頼まれたものを買ってくるというおつかいの作業は、独自性や任せてもらうタイプの家事シェアにはなりにくいことは、頭の片隅においておきたい。
■頼まれた商品を買ってくればいいわけではない
こと買い物に関して言うと、妻の中にある絶対の正解は、二つの要素から構成されている。
一つは商品そのものの選択。もう一つは「正しい」単価だ。この両方がクロスしたところが彼女のドストライクの正解となる。そして、このドストライクから外れればはずれるほど、「これじゃない!」「違うものを買ってきた!」という怒りは大きくなると、腹をくくった方がよいと思われる。
ストライクゾーンについて、ガールズちゃんねるに出てくる例から、いくつか具体的に考えてみたい。
https://news.livedoor.com/article/detail/20200620/
2021年5月16日 11時15分
プレジデントオンライン