1 :2021/05/16(日) 21:09:45.82 ID:yN3qrN579.net
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高い学歴を持ち、期待されて入社してきた人が実際の仕事は全然ダメというケースをたまに聞きますが、筆者には少し不思議に思えます。確かに、筆者が社会人になった30年ほど前であれば、「学業なんかできても、仕事ができるとは限らない」という部分はあったかもしれません。
しかし、多くの仕事がどんどん知性化されている現代では「学業=科学」と「仕事」とが近くなっています。仮説を立て、検証し、行動を修正するという点で、科学と仕事は似ています。実際、今、業務成績の良い人はどんな人かを共同調査しているのですが、学業ができる人に仕事ができる人がやはり多いようです。それなのになぜ、「高学歴なのに仕事ができない人」が生まれるのでしょうか。
■傾向としては仕事ができる
筆者の本業、人事コンサルティングでは、まず、「その会社の高業績者とはどんな人か」を調べるところから仕事が始まります。そして、その結果を採用基準や育成目標、評価要素等を考えるベースにします。
会社や仕事により、高業績者の特徴は変わります。しかし、緩やかな傾向として、「高学歴の人が高業績者」というのはほとんどの会社で「事実」です(もちろん、個々人の学歴以外の特徴の方が重要で、学歴はあくまで緩やかな関連がある程度です)。研究や企画のような仕事だけでなく、営業やサービスの仕事でもそうです。
当然、学歴が高いからといって、ひいきして昇進させる会社はありません。そんな会社はつぶれます。単に結果として、高業績者の中に高学歴の人が多いというだけのことです。
■「学歴」重視の採用は逆効果
そのため、表に出ることは決してありませんが、多くの会社が内々に学歴を採用基準に置いているのです(あくまで緩やかな基準として)。そして、そのため、高学歴人材の採用競争は激化します。これがもしかすると「できない高学歴者」が出現する理由かもしれません。
あまり、採用ブランドの強くない会社の採用戦略の基本は「競合の少ないマーケットで勝負する」という、いわゆるブルーオーシャン戦略です。ところが、高学歴者を採ろうとすれば、周りは強い競合だらけです。同じ採用力で厳しい市場に臨めば、競争に負けてしまうので、採れる人のレベルが下がるのは当然です。
つまり、採用力を強化せずに学歴を重視した採用を行うと「できない高学歴者」を採ることになるのは必然なのです。例えば、塾や家庭教師、予備校にたっぷりとお金をかけて、受験工学をすべて注ぎ込まれ、テクニックのみで高学歴を得た人は仕事においてもかなりのサポートをしなければ、成果を出せないかもしれません。
また、そのような人でも、会社側は「高学歴だから仕事ができるだろう」と期待して採用しています。そこで仕事ができないと分かれば、期待との落差はより大きくなります。「期待外れ」の度合いが大きいほど印象に残りやすくなるのです。その点も「高学歴なのに仕事ができない人がいる」という印象を強くしているのかもしれません。
■採用力向上か、人物・能力重視か
これに対して、企業が取れる方法は2つです。採用力(採用ブランド×採用活動力)を向上させるか、それが難しければ、高学歴という「緩やかには業績と関連はあるが、強い相関があるわけでもない」属性による採用ターゲティングをやめてしまって、むしろ、学歴を気にせずに(あるいはあえて、高学歴ではない人を狙って)人物や能力をきちんと見極めて採用をするかです。そして、やりやすい方法はもちろん後者、学歴を気にせずに採用するなのです。
こういう点においては「学歴などなくても仕事ができる人はいる」は今でも本当です。学歴を気にすることなく、地道に人を探し、じっくりと人物や能力を見極めて採用を行えば、表面的な学歴で簡単に初期選抜を行うような企業には分からない「埋もれた人材」をひそかに見つけることができます。
ただし、学歴が低い「から」仕事ができるわけではない点には要注意です。先に述べたように、緩やかな傾向としては学歴と業績は相関があるわけですから、「埋もれた人材」を見つけるには労力はかかります。多くの人の中から、「磨けば光る逸材」を見つけ出す必要があるのです。
■学歴など、ただの結果
さて、では、「ダメな高学歴者」を見抜いたり、「学歴は低いがイケてる人」を見つけ出したりするためには、どんな方法があるのでしょうか。それは、面接の基本に立ち戻ればよいだけです。面接の基本とは「結果ではなく、プロセスを重視する」ということです。学歴はただの結果です(長文のため以下リンク先で)。
★1:5/16(日) 18:55