1 :2021/04/18(日) 07:44:35.94 ID:0pwFCNzE9.net
「男らしく髪を短く」
「もっと女性らしい服装にしたら?」
何気なく耳にする、こうした「らしさ」に疑問を持ちスカートをはいて登校する男子高校生がいます。とかく「同調圧力が強い」とも言われる日本社会の中でスカートをはく理由とは?
スカートは選択肢の1つ
写真
週に1、2回、スカートで登校する男子高校生、久保さんです。
きっかけは、SNSで男性がスカートを着こなしているのを目にしたことでした。
久保さん「男性でもスカートをはくとめちゃくちゃ似合うんだと思いました。この学校では男子生徒もスカートをはいてもいいので、自分もはいてみようかなと。足の動きが自由になるのが楽しかったし、服装の選択肢の1つとしてとらえると何も違和感ありません」
多様性を尊重する学校
久保さんが通うのは島根県との県境にある山あいの町、広島県安芸太田町の県立加計高校です。1学年1クラス、全校生徒100人余りの小規模校です。
子どもの数が少なくなる中、海外の学校との交流や短期留学にも力を入れています。全国から生徒を募集し、全校生徒のおよそ20%は県外出身者です。
少子化の時代、そして変化の激しい時代。より充実した学校生活を送ってもらうには生徒の多様性を尊重することが欠かせない。そんな学校の考えが、制服にも表れています。
おととしにはLGBTの生徒も違和感なく制服を着てもらおうとスカートもズボンも性別に関係なく選べるようにしたのです。
工藤宏一校長はそのねらいをこう話します。
工藤校長
「学校のキーワードは多様性。制服もその1つです。周りと同じじゃないといけない、という環境では、安心して自分を表現できません。自分のありのままを表現でき、他人のありのままも受け入れる経験をしてほしい。多様性を尊重する先には、生徒に自信を持って自分の人生を歩んでほしいという思いがあります」
スカートは誕生日プレゼント
久保さんも国際交流が盛んなこの高校を希望し、三重県からやってきました。親元を離れ、寮で暮らしています。
およそ1万5000円の制服のスカートは、誕生日プレゼントとして両親に買ってもらいました。
息子から「スカートを買いたい」と言われたとき、率直にどう思ったのか、母親に聞いてみました。
久保さんの母親
「本人が言うとおりファッションとして受け止める気持ちもあるし、小さいときから何にでも興味を示して好奇心旺盛な子なので、へーと思って聞いていました。外国では男性がスカートをはく国もありますよね」
スカートをはいて気付いたこと
待望のスカートを手に入れた久保さん。スカートをはくようになって気付いたことがあります。
それは、男性がスカートをはくことに抵抗感を抱く人もいるということです。
久保さん「自転車をこいでいて車から見る目とか、コンビニに入っているときのまわりの大人とすれ違った時の目とか、奇異な感じで見られているなと感じました」
そしてもう1つ気になることがあります。自由に選んでいいのに、実際には男子生徒がスカートを選びづらいという現実です。
久保さん「男性なのにスカートをはいているから、女性なのにズボンをはいているから、LGBTQ+なのではないかという意識が世間に埋め込まれていると、無理に性自認をカミングアウトすることになってしまうのではないでしょうか。そういう社会だと自分がはきたいほうを選びづらくなってしまいます」
全文
2021年4月16日 11時52分 NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210416/k10012974451000.html