1 :2021/02/06(土) 23:38:26.88 ID:5ACW0kuk9.net
https://friday.kodansha.co.jp/article/160655
キャンプや昆虫採集といった趣味から、林業や不動産投資まで。今?山を買う?決断をする人が急増している。実際に昨年、山林販売を行う専門サイトの問い合わせ件数は軒並み増加。なかには例年の10倍もの問い合わせがあった専門店もある。
とはいえ、山に興味を持っていても、ホントに買って大丈夫なの? と疑問を持つ人は多いはず。そこで今回、本誌はその道のプロに徹底取材。購入のコツとリスクを探った。
そもそも山はどこで買うのか。日本では「専門サイト」「不動産会社」「森林組合」という3つの方法がある。専門サイトは全国の物件を見られることが最大の特徴。一方、不動産会社や森林組合は地元に根差しており担当地域が狭いゆえ、一般販売されていない掘り出しものが見つかる可能性がある。
次に山の値付けの基準。山は「立木(たちき)」の価値と「地価」を合計して算出される。「立木」とは生育している樹木を指し、樹齢と樹種によって変化する。60年を超える杉、90年を超える檜(ひのき)が高価な一方、雑木林はほとんど値が付かない。ある専門サイトの過去の査定例では1坪あたり最安で15円、最高で8000円程度と大きく幅がある。
また「地価」は主に?人口密集地から近いこと ?道路が隣接していること ?平坦な土地の面積、を基準としてつけられ、坪単価は数十円〜1万円まで変動する。販売されている物件を平均すると、東京ドーム半分弱相当の6000坪が150万円前後と言われており、これが一つの基準になる。ほかに登記費用や書類作成費用、事務手数料として15万〜20万円程度が必要となる。
販売を手掛ける『山いちば』代表の比賀真吾氏が、より良い物件を探すためのコツを教えてくれた。
「河川の有無は必ず確認します。川があるとレジャー需要が高まるので相場が100万円ほど上がります。あくまで一つの目安ですが、川がないのに高価な土地は要注意です。ただ、一番大切なことは自分の目的を明確にすることです。たとえばキャンプがしたいなら『立木』の質にこだわらないことで、より安価に購入することができます。自分が何をしたいのかをハッキリさせておくことが、より良い物件に出会う最大のポイントです」
では山を持つことの魅力とは何なのか。昨年、岐阜県に山を購入したというアイドルのかほなんさんは目を輝かせて語る。
「本格的なキャンプをしてみたくて購入しました。自然を最大限利用して生活する『ブッシュクラフト』というスタイルがあるのですが、キャンプ場では自由に木を切ったり、焚火(たきび)をしたりできないため、なんでもできる山がほしかったんです。今は通える限り山に籠(こ)もって、木を伐採してシェルターを作ったり、山菜を集めて自炊したりと楽しんでいます」
広大な?秘密基地?を手に入れられる一方で、当然リスクもある。森林ジャーナリストの田中淳夫(あつお)氏は、ブームに乗った軽率な購入に警鐘を鳴らす。
「費用面での負担は意外と少ないです。固定資産税こそかかりますが小規模の山林であれば年間で数千円ほど。3万坪を超える広大なものでも数万円程度ですみます。大変なのは管理です。活用するためには定期的に草刈りや木々の枝落としが必要になります。また獣害も発生します。私は山を持って20年になりますが、当初は春先にタケノコが100本ほど採れていました。しかしイノシシが増加したことで、今では数本しか採れません。
ただ自然よりも獣よりも悪質なのは人間です。私の山は一般道に面しているので何度もゴミを不法投棄されました。空き缶や弁当の食べカスならまだしもテレビや冷蔵庫などの大型家電も捨てられたことがあります。ダッチワイフを捨てられたこともあり、草刈りをしていて、女性の顔が見えたときは本当に驚きました。こういったゴミの処分は自費で行わなくてはなりません。結果として管理しきれず、持ち主不明のまま放置される山林は後を絶ちません」
目的、費用、リスク……すべてを考慮して、楽しい山ライフを送ってほしい。