1 :2021/02/06(土) 15:17:58.07 ID:2uRbzf+Z9.net
実は先頃、マスクの素材ごとに飛沫防止効果がどう違ってくるかという実験を行ったという。
ウレタンマスクはOKなのか、はたまたNGなのか──。
──「富岳」もマスク素材ごとの飛沫防止効果を調べていますが、コンピューター上のシミュレーションです。実際に実験をされたのですね。
クリーンルームの中で、喘息などの治療薬吸入器具として使われているネブライザーからヒトの出すエアロゾルを模したものを発生させて、
それをそれぞれのマスク素材がどれくらい通すかを試しました。
喘息治療や気管支炎の治療でシューシューと出てくる薬剤のミスト(蒸気)を吸い込みますよね。あの状態がミストの発生側です。
一方、ミストの受け取り側は、人がつけた状態のマスクではなく、各素材そのものを切り出し、筒の片方に隙間なく張り、
反対側から空気を吸わせ、素材を通過してくるエアロゾルの粒子の径(粒子の大きさを表現するもの)ごとの濃度をレーザー粒子計測器で測りました。
──上図の「マスク別除去性能」がその結果ですね。衝撃でした。ウレタンマスクの素材である「ポリウレタン」は、
5um(マイクロメートル)以下の粒子だと除去率1%以下。ほぼ効果がないことがわかります。
そうなんです。逆に不織布マスクは一番小さい0.3〜0.5umで90.8%、最大の5.0以上の粒子は99.1%の除去率が確認されました。
医療従事者がつけるN95や医療用サージカルマスクはそれ以上に高い値ですが、一般の方が生活圏で使うのは、この程度の不織布マスクで十分機能すると考えます。
ちなみに実験で使用したマスクは、医療用サージカルマスクが当院で使用しているもの。不織布マスクは、VFE(ウイルス濾過効率)が99%カットの表示があった一般的なものです。
ポリエステル、ポリウレタンマスクは、一層式でインターネットなどで買えるもの。いずれも、素材表面や内部に特殊な加工がされていないものを選択しました。
不織布マスクを上下左右に、顔に密着させれば、エアロゾルをほとんど吸い込まずに済みます。
エアロゾルは科学用語で、口から呼気や咳とともに出て空中にある粒子のすべてを指します。
それを出さないこと、吸い込まないことが感染の伝播防止に重要です。
今回は「吸い込み」しか実験はできませんでした。が、互いに不織布マスクであれば出す側も出す粒子が少なく、また吸込み側も吸い込みがかなり少ないわけです。
これに2メートルのソーシャルディスタンスがあれば、感染はかなりの確率で防げるでしょう。ただ、マスクの付け方が悪いと、素材のせっかくの性能を生かせません。
──布(ガーゼやポリエステル)マスクは、10〜20%台の除去率でやはり心もとないですね。
ガーゼマスクは、アベノマスクを使いました。咳や呼気などが体内から運んできて口から出たばかりの飛沫の粒子は大きいので、布やガーゼマスクでも止まります。
でも、一方で防御にはあまり役立ちません。まあ、2割でも3割でも阻止してくれることを考えれば、何もしないよりはましですが。
ウレタンマスクの防御性能がわかりました。これは想定内でしょうか?
想定の範囲内です。ただ、ここまで(除去性能が)低いとは、という驚きはありました。
ウレタンは着け心地はいいのですが、呼吸がしやすい。それは言い方を変えればスカスカだということで、実はずっと心配していました。
それに、昨年12月に発表された富岳のシミュレーション結果でウレタンマスクは吐き出しも吸い込みもカット率が低かったのに、
若者たちを中心にみなさんまだ使い続けています。ここに警鐘を鳴らしたいという考えはありました。
それはシミュレーションの計算結果として出された数値がまだ甘いからかもしれない。そうだとしたら、もしかしたらこれが、若者たちの間の感染が多い理由の1つになっているのかもしれない。
それをあらためてほしい。
https://toyokeizai.net/articles/-/409607