1 :2021/01/23(土) 08:30:24.62 ID:n1mG2coY9.net
新型コロナウイルスの感染拡大の勢いが止まらない中、全国で感染者が最も多い東京都は「人の流れを抑える」という基本対策の難しさに直面している。昨夏まではキャッチフレーズのうまさを発揮し、感染拡大を抑えてきた小池百合子知事だが、今回は危機感をどれだけ訴えても、人の流れは抑制されず、発信力には陰りも。都庁内からは「もはやお願いするだけでは難しい」との声も漏れている。
◇成功体験が裏目に
「去年の暮れに『帰省しないでください』『忘年会なし』と申し上げたが、残念ながら今の状況になっている」。小池氏は今月15日の定例会見でこう述べ、いら立ちをあらわにした。新年早々、緊急事態宣言が再発令されたが、新たな感染者が1000人超の日が続き、いまだ落ち着く気配は見えない。
昨春の第1波で、都は広範囲に及ぶ休業や時短を要請。小池氏が都民に呼び掛けた「ステイホーム」も功を奏し、6月には感染がほぼ沈静化した。ただ、経済への打撃は大きかったことから、夏の第2波では飲食店などに対する時短要請に限定。それでも感染者を減らすことができた。
「これが成功体験になってしまった」。都幹部は声を落とす。
◇経済両立、遅れた判断
10月、政府の観光支援事業「Go To トラベル」で除外されていた東京発着の旅行も対象に追加され、世間の空気は一気に緩み出した。
11月になると横ばいだった感染者数は増え始め、都は改めて飲食店などに時短を要請。夏の実績を挙げ、前回と同じ「午後10時まで」に設定した。政府の新型コロナ対策の分科会が「午後8時まで」を提案しても、小池氏は「(対策を)厳しくしてどれだけ協力してくれるか」と難色を示した。しかし、この後、さらなる感染拡大を受け、方針転換を余儀なくされる。
12月25日、小池氏は新宿・歌舞伎町の街頭でコロナ対策を呼び掛ける予定だったが、急きょ取りやめた。周辺は「知事自身、パフォーマンスにも限界があると判断したのだろう」と語る。
大みそかには、それまでの最多を大幅に上回る1337人を記録した。「局面が変わった」―。小池氏は血相を変え、すぐさま埼玉、千葉、神奈川の3県知事に連絡。危機感を共有する4人の知事は正月返上で西村康稔経済再生担当相に緊急事態宣言を迫った。電撃的な展開を仕掛けた小池氏の行動は、政府から宣言を「勝ち取った」と印象付けたが、予想を超えた感染拡大に追い込まれた末の行動とも言える。
◇メッセージに誤算
「最後の切り札」とも言える宣言が発令されても、人出は昨春レベルを大きく上回っている。都幹部は「午後8時までの時短営業を強調した結果、若者らに『昼間なら出歩いても大丈夫』という雰囲気ができてしまった」と指摘する。職場やホームパーティーなどを通じた感染も絶えず、小池氏も「時短が強調され過ぎたきらいがある」と認める。
都内の19日の新規感染者は1240人と高止まりが続く。都は病床確保と共に、テレワークの徹底要請や時短協力金の大企業への支給拡大、歩行者天国の中止など、矢継ぎ早に対策強化を打ち出した。小池氏は、飲食店の休業要請についても「選択肢の一つ」と踏み込む。ただ、どんな強硬策も、広く協力が得られなければ絵に描いた餅だ。「都として新味のある策は出し尽くした。あとは結果がどう出るかだ」。都幹部の一人は力なくこう語った。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b088acb134dc0a8eb88dd668bf3ee122614b8e04