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【公平な契約】NHKをぶっ壊さなくても済む方法 訪問員はコンテンツの価値訴求に徹すべし…

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1 :2021/01/21(木) 14:36:21.02 ID:d6Pspc959.net

https://news.yahoo.co.jp/byline/endotsukasa/20210121-00218571/

NHKは「営業」が下手
 1月3日の弁護士ドットコムの記事によれば、NHKの営業経費のうち、訪問員にかかる費用は約300億円である。しかし現在、NHKの訪問員は、多くの人びとの嫌われ者である。いまのやり方では、契約を「押し売り」しているように感じられるからだ。ようするにNHKは、自社にネガティブな印象をもつ国民をつくる施策に対して、年に300億円も支払っているのである。

 そのためNHKは、訪問によらない営業活動の拡大を打ち出している。全日本放送受信料労働組合の勝木吐夢書記長は、「ごまかしや脅し」による営業に対して、批判的なコメントを残している。NHKの訪問員の営業スタイルについては、よくご存じのようだ。しかしどうやら、「NHKは不要」と考える人に「真摯かつ繰り返し、受信料の必要性を説く訪問営業」については、書記長は肯定しているようである。

 それでは考えてほしい。豊かな放送文化を創造するために公共放送は必要なのだと、NHKは訴える。しかし例えば、コピー機の営業は、豊かなドキュメント文化の創造のために必要だから、コピー機を買ってくれなどと、顧客に訴えるであろうか。あるいは、利用によるメリットも理解していないのに、国の定めた義務だからコピー機を買えなどと言われたら、顧客はどのような気分になるであろうか。顧客にとって、文化の維持のために金を払う必然性はない。

一方でNHKは、特定の勢力、団体の意向に左右されない、公正で質の高い番組や、社会的に不可欠な教育・福祉番組をお届けすることを目指している。そして実際に、NHKの番組コンテンツの質は、国民に高く評価されている。そうであれば、国民一人ひとりに有益なコンテンツを配信していること、とりわけ教育や福祉の番組には力を入れており、視聴することが役に立つのであると、訴えかけることが必要である。実際に価値を認めてもらったときに、晴れて契約を結んで頂くようにと、活動方針を変えるのである。

 同様のことは、すでに過去の記事の中で書いている。何やかんやと義務化することを主張したり、安易に受信料を下げたりする前に、NHKは営業の体制と手法を変えることから始めるべきなのである。視聴者にとって、数万円の価値があるものに支払う2170円は、破格に安い。反対に、視聴しないものに支払う2170円は、収奪としかみなされない。

NHKの営業の使命を問う
 多くの企業において、営業はたんに金銭的な利益を上げることが仕事と思われている。あるいは、NHKの訪問員のように、一件いくらの歩合によって高い収入を得ることを目指して、営業の仕事に就く者がみられる。

 NHKの番組には、たしかに人びとの喜びを創造し、あるいは人生さえも変えてしまうような、有益なコンテンツが存在する。それらのコンテンツを、ラジオもテレビもひっくるめて、視聴者一人ひとりの要求に沿った形で紹介していけば、訪問員に会ってみようという気持ちにもなるであろう。そのときNHKの訪問員は、番組を通して視聴者の生活を支援するための、アドバイザーへと変わるのである。

 訪問員の皆さんにおすすめしたいのは、例えば家族構成や興味・関心を踏まえて、視聴者ごとに将来像を踏まえた学習プランを提示する仕掛けだ。個人にせよ企業にせよ、あるべき姿と現状とが乖離している場合、そこには問題が生じている。NHKは、その問題を解決するコンテンツを提供しているのだと、訴えるのである。取り扱う商材の価値を気づかせることから、顧客の満足は生み出される。

 そのような営業プロセスを実現するためには、やはりスクランブルをかけることが必要である。つまり、一定の無料期間の後は、受信料を支払わない人には観られなくするのである。価値に見合うコンテンツが提供されるとき、人は自ずとお金を支払う。普段から視聴しているのに、受信料を支払わない人がいるのであれば、その人は泥棒と同じである。

 とはいえ、NHKには防災・減災報道という、災害対策基本法で定められた使命がある。この部分は、国民の生命を保障するために必要であるから、義務として受信料を徴収してもよいであろう。かくしてスクランブル化する場合は、一律の安い基本料に加えて、個々の視聴したいコンテンツのカテゴリごとに、受信料を徴収するのである。このような制度こそ、公共放送の使命に合致した、すべての国民に公平な制度といえるであろう。

 営業の仕事は、もの売りではない。ものを受け取るべき人のために、有意義な情報や知見を提供し、気づきを与えることである。なるほどと納得してもらったとき、顧客は契約を結び、金銭を支払う。営業とは、ものの価値と顧客の満足とをつなぐための、架け橋となる仕事なのである。