1 :2021/01/07(木) 13:54:26.05 ID:brPFPDDr9.net
36人もの犠牲者を出した京都アニメーション放火殺人事件は、自身も大やけどを負いながら一命を取り留めた青葉真司被告(42)が2020年12月に殺人などの罪で起訴され、大きな節目を迎えた。こうした中、青葉被告が「京アニにパクられた」と主張してきた小説のシーンがどのようなものか、具体的に見えてきた。アニメのオリジナリティーを巡るトラブルは過去にも起きているが、関係者は「京アニ事件が起きたことで、全てを『笑いごと』として切って捨てるわけにはいかなくなった」と対応に苦慮する。(岸本鉄平、本田貴信)
「京アニにパクられたのは、ツルネの主人公たちが安売りの肉を買うシーン」
事件後に入院した病院で手術を受け、九死に一生を得た青葉被告は、逮捕後に勾留された大阪拘置所のベッドに横たわり、目の前の捜査員にこう打ち明けたという。
京都アニメーション(本社・宇治市木幡)が制作したアニメ「ツルネ−風舞高校弓道部」は弓道に青春をかける男子高校生たちの物語で、2018年から19年にかけてテレビ放映された。
青葉被告が言及したとされる場面は、第5話「矢の使いで」に登場するわずか2分半ほどのシーン。合宿中にスーパーマーケットを訪れた主人公たちが、値引きされた豚肉や牛肉などの食材を選びながら会話を交わすという、ごくありふれた描写だ。
京アニ事件後、青葉被告が京アニの原作公募事業「京都アニメーション大賞」に小説を応募していたことが明らかになった。
だが、京アニ側は、青葉被告の小説は形式的な1次審査で落選していたとし、中身を確認する前に除外されていて「盗用の余地はなかった」と断言する。
「京アニに小説をパクられた」とは一体、何を意味するのか。
「シナリオを作る際に多少の工夫を凝らしても、他の作品と明確な違いを生み出すのは本当に難しい」
大阪アニメ・声優&eスポーツ専門学校(大阪市)講師で、フリーアニメーターの上宇都(かみうと)辰夫さん(56)が例に挙げるのは、ツルネと同じ「学園もの」と呼ばれる人気のジャンル。
その多くは、登下校や授業風景、放課後のクラブ活動、友人との交流など普遍的な枠組みの中で展開する。他の作品と似ている場面が登場するのも、当然と言えば当然だ。
「それにもかかわらず自分の発想を『独創的』と錯覚してしまうと、あらゆる創作物が『盗用』になりかねない」
上宇都さんは、京アニが創業して間もない1985年から2018年まで同社に在籍した。
事件で犠牲になった仲間とともに表現活動の最前線に身を置いてきた立場だからこそ、「小説をパクられた」とする青葉被告の主張に違和感を抱く。
https://news.yahoo.co.jp/articles/aa360456343bd2438e197f73fb4ed9438fac7a96