1 :2020/12/05(土) 00:52:33.47 ID:CAP_USER9.net
本を読む方法として、すっかり一般化しつつある電子書籍。従来の紙の本と比べて場所を取らず、どこでも読めるなど、一見いいこと尽くめのように思える…。しかし長いスパンで見た時、電子書籍が覇権を獲る未来はおそらくやってこない。一体なぜだろうか?
電子書籍派が、紙の本派に対してよくアピールするのが、利便性だ。電子書籍は購入から読むまでをパソコンやスマホの画面上で行えることに加えて、重さやスペースを気にせず、どこへでも持ち運べる。とくに読書家ほど蔵書量が多くなるため、データとして自由に本を管理できるのは大きな魅力だろう。
しかし、そんな電子書籍が抱えるのが「データの所有権」という問題だ。電子書籍において、ユーザーはデータにアクセスする権利を購入しているだけであり、お金を払っても本そのものが自分の物になるわけではない。自分の都合に関係なく、企業の事業停止などによって、ある日突然本が読めなくなってしまう可能性があるのだ。
実際、2019年には『マイクロソフト』が電子書籍事業から撤退。購入したはずの本が読めなくなる事態によって、ユーザーたちの不安と混乱を招いてしまった。ネット上では現在でも、この事件に対して《電子書籍にこんなデメリットがあるとか、知らなかった》《そこらの会社でなく、マイクロソフトでもこの有様とか信じられない》《え? アクセス権だけで物は持ってないってどういうこと?》といった驚きの声が見受けられる。
これまで事業終了などで電子書籍が読めなくなったサービスは「マイクロソフト」だけでなく、富士通の『BooksV』、楽天の『Raboo』など、有名企業が運営していたものも多い。つまり、「有名企業だから安心!」という保証はないと言える。ほとんどのケースで返金や別のサービスでの代替えといった補償が行われているが、ユーザーの手間やサービス移行の不便さはどうしようもない。
そんな中、見直されつつあるのが昔ながらの「紙の本」だ。とくに電子書籍との比較で浮き彫りとなったのが、高い保存性と安定性。紙の本は当然ながら、一度買ってしまえばいきなり読めなくなることはない。購入するのが面倒という声もあるが、現在はネット通販の進歩によって、いちいち外出する必要もなくなっている。
また、紙の本はデータの所有にこだわる人からも支持を受けているよう。電子書籍のようにスクリーンで読みたいが、データが消えてしまうのが怖い…という気持ちから、本を自分で画像データ化する「自炊」作業を行う人もいる。さらに箔押しや手触り、飛び出す絵本など、紙ならではの質感や付加価値も多くの人を惹きつけているポイントだ。
紙の本に価値を感じている人からは《やっぱり紙の手触りが好きだな》《本棚に並べて背表紙を眺めたいから紙派です》《途中から手軽に再開したり、前に戻ったりが感覚的にやりやすいのは紙》《マンガの見開きはぜったい紙じゃないとダメ!》《ブルーライトを少しでも避けたいから紙派》など、さまざまな意見が上がっている。
一見すると利点ばかりに見える電子書籍には、意外なリスクが潜んでいた。もちろん暇つぶしに安い本を買ってすぐ読める、などの仕様は紙にはない利点だろう。しかし自分にとって大切な本や読み返したい本は、紙の本で手元に置いておくのが賢い選択なのかもしれない。
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