1 :2020/12/05(土) 09:51:02.36 ID:bYRwxHO+9.net
大阪府が約70の医療機関との間で確保した軽症・中等症病床は1226床。十三市民病院は、うち90床を備える中核施設だ。3日の府内の軽症・中等症病床使用率は53・7%、実際の運用病床数に占める軽症・中等症患者の割合は63・6%に上り、予断を許さない。
十三市民病院は松井一郎市長の肝煎りで、5月から中等症専門病院としての運用を開始。もともとコロナ患者約20人を受け入れていた結核病棟に加え、一般病棟も改修し、6月下旬までに90床を確保した。
現在、同院へ搬送されるコロナ患者の大半は重症化しやすい高齢者で、入院患者では70代以上が7割を占める。食事や排泄(はいせつ)など介助が必要な患者も少なくない。
入院中のコロナ患者(1日平均)は5月に11・5人だったが、感染第2波の8月に42・3人と約3・7倍に急増。第3波の11月には45・5人まで増えた。確保した90床のうち、現時点で実際に運用できるのは「60床が限界」(西口幸雄院長)という厳しい状況だ。
専門病院になるまでは内科や外科など18診療科の総合病院だったが、全科で外来診療を中止し離職者が続出。7月末に産科を除く一般外来を再開したが、医療に携わる退職者は11月末時点で医師10人と看護師ら22人の計32人に上る。
今月中に市立総合医療センター(都島区)から看護師の派遣を受ける予定で、運用病床を60床から90床へ増やす方針だ。西口院長はこう訴える。
「採算を度外視したコロナ病床の拡充は公立病院にしかできない。うちが防波堤になっている間に他の病院が態勢を整えてほしい」
中等症患者の治療で難しいのは、重症化するタイミングの見極めという。重症度は厚生労働省のガイドラインで軽症▽中等症1(呼吸不全なし)▽中等症2(呼吸不全あり)▽重症−の4段階に分かれている。
西口院長によると、中等症患者は容体に関わる数字だけで判断できず、医師の裁量に負う部分が大きい。感染急拡大に伴い重症病床が逼迫し、医師自らが受け入れ先を探すケースもあるという。
「中等症2から重症になるまでの時間は短く、高齢者はすぐさま悪化する。症状が悪化した患者を前に転院先がなかなか決まらないときは冷や冷やする」
大阪府は15日から重症者向け臨時施設「大阪コロナ重症センター」(大阪市住吉区)を運用する方針だ。
西口院長は「コロナ患者は中等症から重症になり、治療を受けて中等症に改善する。中等症患者から重症者まで一体的に治療できる態勢を整備すべきだ」と訴えた。
2020.12.4 21:39産経WEST
https://www.sankei.com/west/news/201204/wst2012040038-n1.html