1 :2020/11/27(金) 13:09:44.05 ID:3udS0+oo9.net
【写真】息子が住んでいたアパートの風呂場。あまりの惨状に絶句
中学生の頃「自分は臭い」と思い込むようになった。高校進学後もその感覚が拭えず、学校から足が遠のき中退。17歳から39歳まで自宅にひきこもり、社会と関係を絶った。
22歳の時に統合失調症を発症。20代は入退院を10回以上繰り返した。昼夜逆転し、自室でテレビを見るだけの日々。夜中に飼い犬の散歩やレンタルビデオ店に行くなどで外に出ることはあったが、他者と関わることはなかった。
30代は「特に覚えていない」と言い切るほど、何もしていない期間だった。早く一日を終えることだけを考え、睡眠薬を飲み長時間寝て過ごすことも。「早く人生を終えたい」「死にたい」という気持ちも、この時期が一番強かった。だが一方で、30代は一度も入院せずに過ごせた「リハビリ期」だったと位置付け、自身を納得させている。
ひきこもりを抜け出す転機は、石川さんを10年担当し信頼を寄せていた医師が病院を去り、主治医が変わったこと。自分も病院ではない「別の場所」に移ろうと考えるようになり、病院のデイケアに1年間、就労移行支援施設に2年間通い、現在の職場に就いた。
仕事を始めて1年半。今も毎朝、憂鬱(ゆううつ)とともに目覚め「今日は行かない」という気持ちで始まる日々。いつ、またひきこもり状態に戻ってもおかしくない、との不安もあるが「死ぬしかない」としか考えられなかった自分が、社会の中で生活していることに「以前より、はるかに解放されている」と感じている。
同居する両親は、石川さんを無理やり外に出そうとはせず、理解を示してくれた。働こうと動き始めた時は背中を押してもらい、今は「続けばいいんじゃない」くらいに見守ってくれている。「僕が苦しいことも分かってくれている。いい親に恵まれました」。
本紙連載や関連記事に目を通し、自分がひきこもり始めた20年前より支援体制が広がっていると感じている。当時と比べれば、ひきこもりを脱する環境は整いつつあるが、経験者として「本人の意志が必要だ」との思いをかみしめている。「最初の一歩を踏み出しさえすれば、何とかなる。こんな自分でも、どうにかなっているんだから」。精いっぱいのメッセージを送った。(「家族のカタチ」取材班・勝浦大輔)
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本紙連載「『独り』をつないで-ひきこもりの像-」には、ひきこもりを経験した本人や家族などから、自身の体験や同じように悩む人へのメッセージ、社会への提言などが多数寄せられた。その一部を3回に分けて紹介する。
11/27(金) 12:31 沖縄タイムス
https://news.yahoo.co.jp/articles/dd6d0b66423d4ffd84100878969cb1da881c0934