1 :2020/11/27(金) 10:20:57.35 ID:d0kkrSu+9.net
同病院で最初に看護師ら2人の感染が確認されたのは今月6日。翌日には7人増え、市保健所はクラスターと認定し、全ての職員と入院患者を対象にしたPCR検査を始めた。
院内では当初、感染を6階のみに封じ込めるのは可能だとの見方もあったが、12日には7階、15日には5階で感染者が出たことが判明。その後も感染は広がり続けて1階まで達し、26日までに入院患者の4割近く、職員の1割強が感染し、入院患者12人が死亡した。
感染はどのように全階に広がったか。要因の一つとして指摘されるのは入院患者の特性だ。7日時点で約210人いた入院患者の多くは末期がんや重い障害で寝たきりの70〜90代の高齢者で、医療スタッフは体を密着させて体位を交換したり、たんの吸引をしたり、感染リスクが高い看護を日常的に担ってきた。
発熱など症状が現れない感染者も多く、市保健所は「医療スタッフが患者と接する中で、気づかぬうちに感染を広げる形になった」とみる。クラスター発生後は職員の感染で人手が少なくなる中、他の階に応援に行く職員も出ていたという。
感染対策の難しさもある。同病院は17日、市の要請で国立感染症研究所から派遣された専門医を受け入れ、汚染区域と清潔区域を分けるなど感染対策について指導を受けている。だが、市保健所は「(初動は)院内の封じ込めがうまくいかなかった部分がある。指導の効果が出るには2週間程度かかる」と事態の推移に神経をとがらせる。
一方、50人を超える職員が感染で職場を離脱し、人手不足も深刻だ。市内の他の病院に看護師らの応援を求めているが、思うように集まらず、「残った職員が休みを返上し、ギリギリの人数で回している」(同病院)という。
感染症対策に詳しい北海道医療大の塚本容子教授(感染管理学)は「オーバーワークが続けば集中力が切れ、感染対策でもエラーが起きやすくなる」と警鐘を鳴らし、早期に感染を終息させるには応援態勢を整えることが不可欠だと指摘している。(山中いずみ、高田かすみ)
北海道新聞