1 :2020/11/24(火) 15:38:59.19 ID:CAP_USER9.net
客入りが悪いとか、3DCGで描かれたドラえもんは受け付けない、といった内容の書き込みが散見される。
同作の共同監督を務める山崎貴の作風への反発もあってか公開前から「泣ける(感度する)ドラえもん」をウリにするなという声がSNS上で噴出、その流れが公開後にも続いているようだ。
しかし本当に「ガラガラ」なのか、また、内容的に批判されるようなものなのだろうか。
■興行収入はどうなのか?
2014年8月8日に公開された前作『STAND BY MEドラえもん』は最終興行収入83.8億円と歴代の映画ドラえもん史上、断トツの大ヒット作品となっている。
さて、では『2』の出だしの興行収入はどうか。座席数・上映回数・館数を集計しているサイト「興行収入を見守りたい!」の初日の興行収入は約8000万円、2日目は約1.5億円。
これは前作が公開から2日間で7億6724.8万円を叩き出したこととくらべると10分の1強になってはいるが、コロナ禍(それも感染拡大局面)であること、劇場の座席数が半減されていることを思えば、十分なものだろう。『鬼滅』がイレギュラーすぎるだけで、『2』の初日の成績は『罪の声』と同等、2日目までで『TENET』を上回る勢いと決して悪くない。ただ前作の大ヒットを受けてということと、本来ならばライバルとして存在していたはずの洋画大作が軒並み入ってこないがために館数・席数が最初から非常に多く設定されている(が最大でも半分しか収容できない)ことから1回あたりの客入りが「ガラガラ」に見えるところもあった、ということだろう。
今回「3DCGのドラえもんは受け付けない」とネット上で散見されるものの、前作ですでにたくさんの人が実際に観て支持しているし、今作の3DCGのクオリティは前作以上で、違和感はますます薄れていたことを思えば、決して主流の意見とは言えないだろう(むろん前作を観て「やっぱりだめだった」と思った人もいただろうが)。
■『STAND BY ME ドラえもん2』の中身はどうなのか?
では宣伝で謳われ、一部で否定的に語られているように「ドラ泣き」的な内容なのか。導入部のあらすじはこうだ。
0点の答案が見つかりママに叱られ「僕はこの家の本当の子どもじゃないんだ!」「ママに比べておばあちゃんはやさしかったなあ」と感じたのび太は、タイムマシンでおばあちゃんが生きていた時代(のび太が3歳の頃)に。ママは大きくなったのび太を見てもそれがのび太だとわからないが、おばあちゃんはのび太の大きくなった姿だと信じてくれる。おばあちゃんはのび太が学校に通う姿が見たいと言うのでランドセルを背負った姿を見せてあげると「欲が出てきちゃった」と語り、のび太のお嫁さんが見てみたいと言う。ところがタイムテレビを使って未来を覗くとのび太はしずかちゃんとの結婚式当日に逃げだし、そのまま戻らなかった。のび太とドラえもんは大人になったのび太を結婚式へ参加させるために未来へ向かう――。
もともとは短編ギャグマンガである『ドラえもん』のわりに笑える要素は非常に少なく、大人向けに作られていることは間違いない。
序盤にのび太とドラえもんがタイムマシンを使った少しややこしいドタバタがあるが、笑いというよりタイムスリップものとして大人が楽しめるプロットを用意したという印象だ。
おばあちゃんの生きていた時代の風景やのび太に因縁を付けてくる不良の服装はせいぜい70年代くらいなのに、のび太がしずかちゃんと結婚する近未来の姿は早くても21世紀後半くらいの文明レベルであるなど、ツッコミたくなる部分はあるが、個人的にはそこまで重大な瑕疵とは感じなかった。
「泣ける」要素があるとすれば、死んだおばあちゃんがのび太が成長した姿を見て嬉しく思うところ、子どもが産まれて喜び、想いを込めて命名するのび太の両親の姿のあたりに、観客が自分の亡き家族や子どもが誕生したときの記憶を重ねて泣く、というものだろう。
そこまで泣かせに来ているストーリーとは思えない。
全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/byline/iidaichishi/20201124-00209091/