最新記事(外部)
お勧め記事(外部)

産婦人科医、日本人のいびつさを指摘 「コロナでの死亡は注目されるが・・・今日何人の女性が子宮頸がんで亡くなったのだろう」

スポンサーリンク

1 :2020/11/12(木) 18:16:20.52 ID:2QI4p/A59.net

自民党の「HPVワクチンの積極的勧奨再開を目指す議員連盟」(細田博之会長)が11月12日に開かれ、
日本産科婦人科学会特任理事(子宮頸がん検診・HPVワクチン促進委員長)の宮城悦子さんが、
「先進国とは思えない状況」と日本の接種率の低さに危機感を示した。

宮城さんは、「日本では若年性の患者が増加しているという重い問題に直面している」と若い女性の命への影響を語り、
積極的勧奨の再開と接種後の体調不良の診療体制を充実させることを訴えている。

コロナでの死亡は注目されるが…「今日何人の女性が子宮頸がんで亡くなったのだろう」

宮城さんはまず、子宮頸がんが、性交渉によるHPVへの感染の後、
一部が数年から数十年かけて前がん病変から浸潤子宮頸がんに進行していくことを説明。

「私の診療経験で最も短いケースでは、18歳でボーイフレンドができて、21歳で子宮頸がんで亡くなった女性でした」と話し、
他のがんと違い、50歳未満で子宮頸がんで亡くなる人が増えている現状を示した。

また、新型コロナによる感染者や死亡者には関心が高いにもかかわらず、
子宮頸がんに毎年1万人以上がかかり、約3000人が亡くなっていることには無関心な、日本人のリスク意識のいびつさを指摘し、こう語りかけた。

「コロナで今日何人か死亡したというニュースを聞くたびに、今日、何人の若い女性が
子宮頸がんで亡くなったのだろうと思わざるを得ません」

そして、宮城さんは今年10月に医学誌「The New England Journal of Medicine」に掲載された、
HPVワクチンで浸潤子宮頸がんが減ったと示すスウェーデンの研究を報告した。

接種率が80%となっているスウェーデンでは、10〜16歳の間に接種した場合は子宮頸がんが88%減少し、
17歳〜30歳でうった場合は53%減少、10〜30歳の全体では63%減少した。若年での接種の方が効果があることが示されている。

宮城さんは、「非常に劇的なデータが出ている。科学が計算していた通りの数字が、
リアルワールドで証明されたという歴史的な論文と思っております」と高く評価した。

日本の子宮頸がん予防状況「後進国としか言えない」

一方、日本では先進国では主流となっている9価ワクチンがようやく7月に承認され、定期接種化への議論も8月下旬に始まったばかりだ。

HPVは男性も感染し、中咽頭がんや肛門がん、陰茎がんなど男性がかかるがんにも関わるため欧米では男子の公費接種も広がっているが、
日本では男性に認可さえされていない。

対象者への自治体の個別通知が10月から始まり、少しずつ接種率は改善しているが、
つい最近まで1%未満だった。検診受診率も2019年で44%程度だ。

宮城さんは最後に「日本では若年の子宮頸がんの患者が増加しているという重い問題があります」とした上で、集まった議員に対し、こう訴えた。

「定期接種(を受ける人)がほぼゼロになってしまって、さらに検診が2年に1回の細胞診だけ(※)です」

※細胞診とがんになりやすいハイリスクHPV感染の有無を確認する検査を併用することが効果的という研究が出ている。
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/hpvv-giren-miyagi