1 :2020/10/19(月) 11:31:01.01 ID:RyyrZh4/0.net
2020年10月19日 0:00 [有料会員限定記事]
トランプ米大統領と習近平(シー・ジンピン)中国国家主席が蜜月関係にあった2017年11月。北京での米中首脳会談で、トランプ氏が中国の金融市場の自由化を迫ると、習氏は「我が国は決して扉を閉ざさない。
扉はより大きく開かれるのみだ」と断言した。果たしてトランプ氏が北京から飛び立つや否や、中国政府は国内金融業務に関する参入規制の緩和を発表した。米金融界は沸き立った。
現在、米中関係は当時とはまるで異なる。世界の2大経済大国は多くの分野で激しく対立している。ところが金融分野では両国関係が決裂する兆候はみられない。
JPモルガン・チェースは傘下の資産運用会社を通じ、10億ドル(約1050億円)を投じて中国で公募投資信託を販売する合弁会社の完全子会社化を進めており、間もなく完了する。ゴールドマン・サックスも証券合弁会社の完全子会社化を目指している。実現すれば、中国で営業できる初の100%外資の大型投資銀行となる。
2020年は1980年代の米ソ冷戦のように米中間の緊張が高まった年であると同時に、20年間の金融自由化の停滞を経て中国政府がようやく米金融界へ扉を開いた年ともいえる。
JPモルガン同様、モルガン・スタンレーは3月、現地合弁会社の出資比率を49%から51%に引き上げた。将来的に完全子会社化を目指す。シティグループは9月、米銀で初めて証券保管業務の認可を取得した。資産運用会社ではブラックロックが8月、個人向け投信を販売する100%子会社の設立認可を受け、バンガード・グループは上海に地域統括会社を設立する意向だ。
バイデン氏勝利なら厳しくなるか
ここで疑問が浮かぶ。米国の対中強硬姿勢が強まる中、なぜ金融業界は巻き添えにならないのか。
端的にいえば互いの思惑の合致だろう。大手金融機関にとり、やがて世界最大の経済大国となる中国でより自由に事業ができるようになれば願ったりかなったりだ。中国経済の血液といえる金融に西側の金融機関が深く組み込まれれば、西側諸国の政府にも好ましい。
続く
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO65071060W0A011C2TCR000?s=2