1 :2020/10/17(土) 11:40:17.85 ID:SmWtIzcK9.net
セルゲイ・ゴルシュコフさんは、その両方を明らかに持ち合わせている。ロシア極東地域の森深くで撮影したシベリアトラ(アムールトラ)の驚異的な写真が、その証拠だ。
彼のこの写真は、今年の「野生生物写真コンテスト」(WPY)で大賞に選ばれたばかりだ。
「ヒョウ国立公園」で、メスのトラが木を抱きしめている。樹皮に体をこすりつけ、縄張りを示すためににおいを残そうとしている。
「ライティング、色彩、質感。まるで油絵だ」と、WPYのロズ・キッドマン=コックス審査委員長は評す。
「さながらトラが森の一部のようだ。尻尾が木の根と混ざり合っている。木とトラはひとつだ」
さらにすごいのは、この写真がセンサーによる自動撮影で撮られたことだ。森の中に撮影機器を設置してから、トラが来て自動シャッターが切られるまで、何カ月もかかった。
もちろん、ゴルシュコフさんは、トラが現れそうな場所を知っていた。経験豊富な野生生物写真家としての腕の見せ所だ。
ロシア東部のトラは、狩猟のせいで絶滅の危機にある。現在生息するのは数百頭ほどとみられている。餌食(主にシカやイノシシ)も減っており、アムールトラは食べ物にありつくため、広大な範囲を移動しなくてはならない。
こうした状況が、今回のような印象深い写真だけでなく、あらゆる写真の撮影を難しくしている。ゴルシュコフさんが自動撮影カメラから、大賞を受賞することになる貴重なデータが刻まれたメモリーカードを回収したのは、森に設置してから10カ月後のことだった。
大賞への選出は、WPYを主催するロンドン自然史博物館のオンラインイベントで、ケンブリッジ公爵夫人キャサリン妃とテレビ司会者のクリス・パッカムさん、メガン・マッカビンさんが発表した。
WPYは今年で56年目を迎えた。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-54565946