1 :2020/09/21(月) 22:01:59.25 ID:vOT/yT7M9.net
事件が起きているのは、主に北部のウッタルプラデーシュ州だ。
同州では8月15日の独立記念日に、レイプされた後に殺害されたとみられるダリットの少女の遺体がさとうきび畑で発見された。まだ13歳だったその少女の両目はえぐられ、舌が切断されていたという。8月24日には同じくウッタルプラデーシュ州で17歳の少女が性暴力を受けた後に殺されている。
さらに9月上旬には、14歳のレイプ被害者の少女の遺体が木に吊るされた状態で発見された。その数日前には3歳の女の子がレイプされた後、絞殺されている。
英紙「ガーディアン」によれば、ウッタルプラデーシュ州はもともとダリットに対する暴力事件が多いことで知られており、特にコロナ禍でその数が急増しているという。しかしながら加害者の多くが高カーストに属していることから、いまのところ逮捕された容疑者はひとりもいない。
インド国家犯罪記録局の2016年の統計によれば、インドでは毎日4人のダリットの女性がレイプされているが、たいてい警察が事件を記録しないため、実際の数はもっと多いと推測される。
コロナ禍のストレスが性暴力を誘発
近年、インドにおける性暴力事件の多さが国内外で問題になっているが、人権団体「イークアリティ・ナウ」によれば、ダリットの女性は集団レイプや性暴力の末の殺害など、他のカーストの女性よりも残虐な行為の犠牲になることが多いという。
また、人権活動家のヨジータ・バヤナは、インドには「安全な年齢」の女性はおらず、「生後1ヵ月や60代のレイプ被害者に会ったこともある」と英「BBC」に語っている。
ダリットの女性に対する性暴力が急速に増えている理由は2つ考えられる。
ひとつは新型コロナの流行だ。ボストン大学のモニカ・アディアンボ・オニャンゴ准教授らがウェブメディア「カンバセーション」に寄稿したレポートによれば、コロナ禍では女性に対する暴力や虐待などが増加する可能性が高まるという。外出自粛や経済の低迷で高まったストレスによって、もともとあった性差別や男女の力の不均衡さが強まり、それが女性たちへの暴力を誘発するからだ。
インドでも鬱屈を抱えた男性たちが、特に立場が弱く、暴力を振るっても罪に問われることのないダリットの女性をストレスのはけ口にしていると考えられる。
レイプはカーストを維持するための「戦略」
2つ目は暴力でダリットを支配しようとする、インド社会の構造的な問題だ。
前出の「イークアリティ・ナウ」のディブヤ・スリニヴァサンは、ダリット女性に対するレイプ事件の加害者のほとんどが高カーストの男性で、彼らはカースト制を強化するために性暴力を利用していると「ガーディアン」に述べている。
インドの憲法ではカーストによる差別が禁止されており、低カースト層やダリットの権利回復運動も徐々に盛んになってきている。
2020年の1月にはグジャラート州でダリットの女性がレイプされた事件に対し、容疑者の逮捕を要求するデモが地元の警察署前で起きるなど、性暴力事件に対しても正当な裁きを求める動きが活発化している。
だが、インド国内、特に農村には低カースト層に対する差別が根強く残っており、権利向上のために声をあげた人たちは、まるで見せしめのように理不尽な攻撃にさらされる。
インドメディア「ロジカル・インディアン」は、ダリットの女性に対する暴力は女性たちが「分不相応なふるまい」をした際に起きると指摘する。たとえば、2014年にウッタルプラデーシュ州で2人の少女が集団レイプされた後に殺害された事件の原因は、少女たちが高カーストの雇用主に昇給を求めたからだった。わずか3ルピー(約4円)の賃上げ要求だったが、雇用主はそれを「ダリットが許容範囲を超えた」ととらえたのだ。
こうした女性たちへの暴力は、ダリットのコミュニティを支配下に置き続けるためにも有効だ。社会学者のサンジャイ・スリバスタバは、ダリット女性に対する性暴力は、高カーストの男性が低カーストの男性に、女性を守れない無力感を味合わせるためにも使われていると話す。
全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/e598ccbde4189f8a490b5d9bcb2b1729ac7ffa45