1 :2020/09/11(金) 08:27:00.98 ID:s5xGWzVE9.net
「新型コロナウイルス感染症で明日の暮らしにも困る人たちが増えている。こうした人たちに正面から向き合い、政治を変えていかなければならない」
自民党総裁選と並行して行われた立憲民主、国民民主両党などによる合流新党の代表選。新代表の枝野幸男代表は10日、高揚した口調でこう呼びかけた。
◆支え合いへの転換訴え
自助や過度な自己責任を求める風潮が安倍政権の7年8カ月で強まった。そのひずみがコロナ禍で一気に露呈したと、枝野氏の目には映る。安倍政権の継承を掲げて党総裁選で優位に立つ菅義偉すがよしひで官房長官が自助の重要性を強調したのに対し、すぐさま「政治家が自助と言ってはいけない。政治の責任放棄だ」と反論。共助や公助に軸足を置いた「支え合う社会」への転換を訴えた。
新型コロナの感染拡大に関連した解雇や雇い止めは4日時点の厚生労働省の調べで、見込みも含めて5万人以上。報告があった事業所だけの集計で、実際はもっと多いとみられる。苦境に陥った人たちを救うためにも、枝野氏は、安倍晋三首相や菅氏が一貫して否定的な消費税減税に前向きな姿勢を示して「税率ゼロも選択肢だ」と踏み込んだ。
◆富裕層、大企業に課税強化
消費税には低所得者ほど負担感が大きい「逆進性」があり、今、手を打たなければ、生活が立ちゆかなくなる人がさらに増えかねない。安倍政権が実績として誇るアベノミクスの恩恵は富裕層や大企業に偏り、市井の人には届いていないという現状認識から、富裕層や大企業への課税強化で再分配機能を回復させると主張する。
◆普天間の新基地工事は中止
米軍普天間ふてんま飛行場(沖縄県宜野湾ぎのわん市)移転に伴う名護市辺野古へのこの新基地建設を巡っても「安倍政治」との違いは鮮明だ。枝野氏は選挙や県民投票で反対の意思が繰り返し示されてきたことを踏まえ、まずは工事を中止し、県外移設を含めた代替策を「米国と期限を切らずに粘り強く(交渉を)行う」と強調する。首相や菅氏が日米同盟を重視し、沖縄の民意をないがしろにしているとして、対話重視の対立軸を掲げる。
自ら提案し、所属する国会議員の投票で決まった「立憲民主党」という党名には、目指す社会像への思いが込められている。枝野氏は10日、次期衆院選を見据えて、こう語った。
「今の自民党は新自由主義を掲げ、私たちの暮らしに向き合わない政治を進めている。個人を尊重する立憲主義をしっかりと掲げて戦っていく」(木谷孝洋)
東京新聞 2020年9月11日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/54764