1 :2020/08/06(木) 18:26:35 ID:Mvn34U919.net
75年前のあの日、広島や長崎に生きていた子どもたちは、何を見て、何を感じていたのか。
生々しい言葉が、いまを生きる私たちの心にも、深く刺さる。
「あさだった ばくだんがおち みんなたすけてー といっている
いぬもしんでいた いきているいぬは みんなほえている
まつの木の下には となりのおじさんが しんでいた」(小学4年、松島愛子)
こうした子どもたちの詩を読み継いできたのが、朗読劇「夏の雲は忘れない」だ。
戦争を知る世代を中心にした女優たち18人が結成した「夏の会」が、2008年の初演から同会を解散する2019年まで、全国各地で演じてきた。
「夏の会」によって読み継がれてきた言葉は、子どもたちの詩に限らない。
家族を失った母親、生徒全員を失った学校長、さらには被爆地に足を踏み入れた米兵の手記、そして被曝し亡くなった子どもたちの最期の声も、ある。
手記や詩は、女優たちが自らの手で、膨大な史料から探し出した。
そして女優たちはそれを、淡々と読み繋いだ。主役は言葉たちであって、自分たちはあくまでそれを「代読」している、として。
「いたといたの中に はさまっている弟、 うなっている。
弟は、僕に 水 水といった。
僕は、くずれている家の中に、 はいるのは、いやといった。
弟は、 だまって そのまま死んでいった。
あの時 僕は 水をくんでやればよかった。」(小学5年、栗栖英雄)
この夏、「夏の雲は忘れない」の台本が書籍化された。
劇の演出に携わっていた演出家の城田美樹さん(51)は、BuzzFeed Newsの取材に、本に連なる言葉たちを「声に出して読んでもらいたい」と語った。
(中略)
「げんしばくだんでしんだ おとうちゃん どんなになってしんだのよ。
どうして早く うちにかえらなかったのよ。
こころのやさしい おとうちゃん どうしてわたしをおいて しんだのよ。
おかあちゃんはおとうちゃんの かわりに くみあいにいっている。
おにいちゃんはしんぶん くばりにいっている
どうしてひろしまにげんしばくだんが おちたのかわたしにしては わかりません」(小学3年 向井富子)
これまでの「当たり前」が、突如として「当たり前でなくなる」ということ。
新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、リアルタイムでそうした経験している私たちには、原爆投下後に残された言葉がより届きやすいと、城田さんは感じている。